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【ダークファンタジー】黒剣遺言: Monument bleuの逆襲  作者: トシマコフ
1章ギルド再結成編
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第十五話「夢想と血剣、響き合う刻」

剣術大会──準決勝、第一試合。


 黒き剣と、剣喰らい。

 その名を知らぬ者などいない。


 審判が手を挙げる。


 「ダーク・アルコホル 対 ムサシ──始め!」


 刹那、二人の間の空気が“爆ぜた”。


 観客席の誰もが声を出せずにいた。

 戦いではない。“生き様”がぶつかっている。


 ムサシが先に踏み込む。一本目。

 鋭い一太刀をダークが軽く受け流す。


 「……やるな、ムサシ」


 「当たり前だ……アナタが消えてたこの七年間、俺はずっと、ずっと磨いてた」


 二太刀目、音もなく振るわれるが、ダークは寸前で足をずらし避ける。


 「──アンタがくさってる間も俺は剣を磨いて、磨いてたんだよぉ!!」


 ムサシが叫ぶ。

 いつもの落ち着いた調子ではない。

 かつて、ギルド時代の若き日々に戻ったような、荒々しい声だった。


 観客席のホワイトが、剣を握りしめる。

 その戦いに、言葉ではない“魂”を感じ取っていた。


 「じゃあ、見せてやるよ」

 ダークがゆっくりと剣を構える。

 「俺の“今”を──『夢想神技アート・イマジネーション』」


 空間が歪む。

 目に見えぬ刃の波が、ムサシの足元を裂いた。


 「ッ……こいつは……!」


 ムサシが気づく。

 これは、あの頃の“剣”じゃない。

 昔のダークよりも、強い。

 剣に“決意”が乗っている。迷いが、一切ない。


 「はっ……やっぱり、アナタは俺の“最高の仲間”だよ!」


 ムサシが三太刀目を構える。

 全身の重心が沈み、風が止まったように感じられる。


 ──会場全体が息を止めた。


 ホワイトはその光景を、一瞬も見逃さずにいた。

 「あれが……Monument bleu同士の戦い……」


 そのとき、彼の中でも何かが“生まれ始めていた”。


 ──次回、決着編へ。

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