第24話 生命の連鎖
「んっ、、、んーーーん、、あれ?ここは、、、」
布団の中で体を伸ばし、ぼんやりとした意識の中で疑問が湧いてくる。
宿泊先とは違う何かがある。目を開けてみれば、同じベッドで寝息を立てる黒髪の美少女の姿があった。
「セリーナさん……だったかな?どうして一緒に……ああっ!」
眠りにつく前の記憶がよみがえる。
熱い一夜、呪いを祓うために共に過ごした情事。
あんなこと、こんなことを……
「んんっ、、、」
セリーナさんが動く気配。
慌てて布団をかぶり、寝たふりをする。
――― い、いま顔を合わせるのは無理ぃーーー!
ドキドキと鼓動が高鳴る中で、背中からそっと抱きしめられる。
「レイラさん、ありがとう、、、本当に、、ありがとう、、、」
セリーナさんの感謝の言葉が心に突き刺さる。
その声には、強く抱きしめる腕のような力と、嗚咽を押し殺すような弱々しさが同居している。
「もう怖い夢をみなくていいの...貴方たちのおかげよ...」
そうか、呪いが解けたんだ。
成し遂げたことに対する誇りと、セリーナさんの感謝に、胸がいっぱいになる。
抱きしめる腕に、もう大丈夫だよと手をそっと添えた。
「あとね」
セリーナさんの吐息が、首筋にかかる。
彼女の指が、私の指に絡みついた。
「昨夜の貴方、すごく良かった……可愛くて、そして綺麗で……」
その言葉に、頭が真っ白になる。
――― 言葉の意味が、ちょっと理解できなかった。
・
・
・
「お二人とも、お目覚めのようでなによりです。」
声の方向に顔を向けると、部屋の隅から金と緑色の輝きを放つ美しい猫がこちらを見上げていた。
確か名前はフェーリス、エロティア様の従者。
「セリーナ嬢、ご安心を。呪いの魔獣とそれを使役した呪術師、共にアイザック殿に成敗されました。」
「フェーリスさん、アイザックは今どこに?無事なの?」
心臓が冷たい氷につかれる感覚。
私が気を失っている間に、そんなことがあったなんて、、、
「勿論でございます。セリーナ嬢から呪いを追いやり、襲い来る魔獣を滅ぼし、さらに呪術師の討伐も果たしました。まさに見事な戦いでした。今は大地の女神様の神殿で、身体を休めておられます。」
恋人の無事を聞きほっとする。
神聖な猫は、我が事のように誇らしげに述べた。
「ただ…セリーナ嬢。呪いが解けたことで、新たな問題が発生したようですな。
貴女と聖者であるアイザック殿の生命が、奇妙な連鎖で結びついてしまいました。彼から離れると、生命エネルギーが引っ張られ、命にかかわる危険が生じます。」
「それは、どうにかならないのですか?」
セリーナの声が不安に震える。
「これを解くには、神気の繊細な制御が必要となります。アイザック殿は人とは思えぬほど膨大な神気をその身に宿しておられますが、如何せん聖者となられてから日が浅いため、まだその繊細さに欠けておられます。
エルフの閉ざされた森、その奥にあるエロティア様の神殿で試練を乗り越えることで、制御する力を手に入れること必要となりましょう。」
ブクマ評価感想いいね、ありがとうございます。とても嬉しいです!
面白い、続きが気になる、アイザック達の冒険エッチだな!と思っていただけましたら
・↓の★★★★★評価
・ブックマーク
で応援いただければ幸いです! 今後も投稿を続けていく『大きな励み』になります!
この小説のR18版はこちらです。
https://novel18.syosetu.com/n3442ih/
===
同じ世界の違う時代の話、
【ぼく食べ】僕を食べたくないと、僕の上で君は泣いた
を下記で連載開始しました。
少年と人魚の少女のボーイミーツガール。
なお、人魚は人間を食べます。
https://ncode.syosetu.com/n9294ih/




