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 アキレアと名乗り、魔女だと言う女性と会った後、私と騎士は半ば強引に彼女が住んでいると言っていた狭間の世界――ブロッサムと魔女達が呼んでいる場所に連れて行かれた。細かく言うと彼女が拠点としている猫の里と呼ばれる、成人男性の腰ぐらいの大きい二足歩行の猫達が生息している集落にだ。

 そこで私はありとあらゆる魔術を使える不老不死の種族・魔女になった事を教えられた。

 魔女という種族は修行し人知を超えた存在になった者、特殊な環境で育った者、特別な体質を持っている者、または私のように理不尽な理由で殺され負の感情に支配された者がなるらしい。

 だけど、私と同じ理由で魔女になった者は自我を失い、人を殺め続け、最終的には化け物に成り果てるそうだ。


「貴方は運が良い、だって、貴方を愛してくれる人のおかげで貴方は自我を取り戻せたんだから」


 アキレアさんをそう言って彼を、騎士を見る。

 あの時、彼が私を抱きしめてくれなかったら私はあのまま化け物になっていたのか。

 彼には感謝しないといけない。そう思い、彼を見て微笑むと彼は顔を赤くして私の手を握り。


「好きです」


 告白された。

 まあ、返事は・・・・・・その場ではしなかった。あの場で人が居る場で言われて恥ずかしかったから。

 その後、アキレアさんの弟子という形で魔女として猫の里で暮らし始めた。

 暫くして騎士の告白に了承の返事を送り、私と騎士は番になった。魔女の番になった彼は私と同じ不老不死になり、そして猫の里に住む他の魔女の番と共に狩りに出掛けたり、力仕事している、元騎士だからか非常に優秀な働き手だと周囲に一目置かれている。


――それから百年が経った。


 百年の間に元の世界に帰れない事を知り、それが理由で殺されたのではと考えた。

 魔王を倒せば帰れると教えられてきたのだ、それが嘘だと知ったら魔王を倒せる力を持つ私が暴れたらどうなるか考えた結果なのだろうけど。


 私を勇者として召喚した国はいつの間にか滅んでいた。

 魔道士は報酬欲しさに仲間を殺害した罪で死刑になったと廃墟と化した城内で見つけた書記で知った。まあ、同情しないが哀れな最期だと思う。


 今、私は毒蜘蛛の住処となった廃城で毒蜘蛛達に呼ばれた哀れな今年の生贄に会うために潜入していたのだが運悪く見張りに見つかったため、増援を呼ぶ声を出させないために素早く喉を掻ききって殺す。

 だが、場所が高台だったせいか死体は落ちてしまった。

 バレたらヤバいと死体を追いかけ、落ちていくと。


 ベランダから一人の少女が落ちていった死体を見ている事に気付く。


 彼女が今年の生贄だ。間違いない。

 私は方向をベランダに変更し降り立つ。


「あら、こんな所に人?」


 血に濡れたナイフをそのままに彼女に近づいた。

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