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チートを拒否した最強魔術士。転移先で無能扱いされるが最強なので何の問題もなかった  作者: やとぎ


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八つ足戦④

 シルヴィスの姿を見た八つ足(アラスベイム)達は相手にしていた軀達を葬った者達からシルヴィスへと襲いかかった。


 シルヴィスはその場に留まるようなことはせずに打って出る。


 八つ足(アラスベイム)が間合いに入った瞬間にナイフを突き出そうとした瞬間にシルヴィスは踏み込みの速度を瞬間的に上げた。


 シルヴィスの虎の爪(カランシャ)が、突きだそうとした腕を斬り飛ばした。八つ足(アラスベイム)が自分の腕が斬り飛ばされた事に気づいて絶叫をあげるよりも早く、シルヴィスの虎の爪(カランシャ)が首を斬り飛ばした。

 鮮血が舞い、首を斬り飛ばされた体が崩れ落ちる僅かの間に、シルヴィスはもう次の相手に狙いを定め、首を切り裂く。


 首を切り裂かれた八つ足(アラスベイム)は愕然とした表情を浮かべたまま崩れ落ちる。

 

 シルヴィスにより次々と八つ足(アラスベイム)は狩られていく。一秒、いや一瞬ごとに八つ足(アラスベイム)達が狩られていくという状況は、八つ足(アラスベイム)達を大いに動揺させた。


 八つ足(アラスベイム)の動揺がおさまるよりも早くシルヴィスが次の相手を斃し続けるために、八つ足(アラスベイム)は本来の力を発揮することができない。

 いや、シルヴィスの実力からすれば動揺させなくとも関係はないのかもしれないが、

それでもシルヴィスとすれば、多対一という状況を作り出すようなことは出来る事なら避けるというのが基本戦術なのだ。


「お前達は一人でこいつらと戦うな。ただ狩られるだけだ」


 シルヴィスの言葉に軀達はコクコクと頷く。当然ながらシルヴィスからすれば軀達がやられたところで一切心が痛むわけでは無い。ただ、自分に対する意識が少しでも離れることで戦いやすい状況を作りたいという狙いしか無いのだ。


 シルヴィスは軀達にそれ以降、軀達への指示をおこなうことを放棄した。ただ、軀達には軀達でエリックというリーダーがいるので、エリックが指示を出している。そのために部隊としての秩序は今のところ崩壊していない。


(ま、後は自力で何とかするだろ。死ななかったら次回に使えばいいし)


 シルヴィスの軀に対する扱いは完全に手駒どころか捨て駒の扱いである。


 シルヴィスが襲い来る八つ足(アラスベイム)をいなして致命的な一撃を繰り出していくたびに地面に倒れ込む八つ足(アラスベイム)達の数がどんどん増えていく。


 シルヴィスのあまりの強さに八つ足(アラスベイム)達がひるみ始めた所に、一斉に火球が放たれた。

 先程の油を仕込んだ革袋では無く、純粋な魔術によって作られた火球だ。


 ドドドォォォォッ!!


 シルヴィスに一斉に着弾し爆発を起こす。


「やった!!」


 八つ足(アラスベイム)から歓声があがった。


「な……」


 しかし、次の瞬間に歓声が凍った。シルヴィスの周囲に水姫達が水壁を形成しており、シルヴィスがまったくの無傷であったためだ。


水の精霊(ウンディーネ)か!!」

「くそ。こいつはまだ召喚できるのか」

「化け物め!!」


 八つ足(アラスベイム)達の声は理不尽さに憤るものだ。人の力ではどうしようもない相手という意識をシルヴィスに抱き始めたのは間違いないだろう。

 

「数で押し切れ!!」


 そこに八つ足(アラスベイム)の一人の指揮官から檄が飛んだ。


 シルヴィスは勿論この指揮官の名前を知らない。指揮官の名はウォイルであった。ウォイルは八つ足(アラスベイル)屈指の実力者であり、その部下達も最強レベルの部隊だ。最精鋭の登場に八つ足(アラスベイル)達の士気は大いに上がった。


(この士気の上がり具合から見て、あいつを殺れば流れはこっちのものだな)


 シルヴィスはそう判断すると次の瞬間には魔力で形成したナイフをウォイルにむけ放っていた。


「くっ」


 シルヴィスの投擲したナイフをウォイルは紙一重で躱した。


「あの男を殺せ」


 シルヴィスはウォイルを指さすと水姫達は一斉にウォイル達に襲いかかった。


「舐めるなぁぁぁ!!」


 ウォイルは右腕に炎を纏うと横に払う。同時に放たれた凄まじい炎が水姫達をなぎ払った。


「な……」


 ウォイルの得意げな表情は一瞬後には消えていた。シルヴィスはウォイルが水姫をなぎ払った事で自分から意識が離れた隙を見逃すようなことはしない。

 

 シルヴィスの左肘がウォイルの胸部に直撃すると、その凄まじい威力にウォイルの体は浮かび上がった。


 シュン!!


 そして次の瞬間、シルヴィスの虎の爪(カランシャ)が空中のウォイルの喉を切り裂いた。



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