楽しいフライト、かもしれない
―――大陸上空―――
離陸から数時間。4人+1匹は改造した地図を頼りにフライトを続けている。
マ「いやー、それにしてもほんとよく晴れてるねー!」
ア「これがずっと続くといいな?」
キ「・・・それはフラグか?フラグのつもりなのか?」
ア「何の事でしょう」
・・・などと、和気あいあいとした会話を私たちは楽しんでいた。辺りはどこまでも見透せそうな、澄んだ青空が広がっている。青々とした大地が広がり、あるところには川が流れ、所々に小さく建造物が見受けられ―――一言で言えば、息を飲むほどの絶景である。
サ「やっぱきれいだよなー。何度見ても飽きねぇ」
マ「うん。魔物がいなければなね。」
その絶景は、常人が見たら吐き気を催すほど大量の魔物が埋め尽くしていた。私たち4人+1匹は、それらを殲滅しながらエムトピアへ、その首都へと向かっているのである。
ア「つーかまだ着かねぇの?すっげぇ待ってんだけど」
アキトは頭部を噛み千切りに来たらしい紫の巨鳥を無数の鋭利な氷弾で一瞬の内に仕留めるが、それを気に留めることすらなく愚痴る。
サ「あー、この辺りならもう少しで郊外には着くと思う」
ア「まだ郊外かよ・・・リリィのスピードはもーちょい上がらんのか?」
キ「これ以上スピード出すと魔物の攻撃避けきれずにに墜落するけど。それでも良いなら・・・」
マ「それはムリやめてマジで」
辺りは魔物や自分達による無数の魔法と飛び道具、そして魔物の血の雨で満ちている。それを背に、飛翔するリリィに指示を出していたキズナは、ふと、足元の人家・・・だったらしき残骸の集まりが目に留まる。
キ「うーわ、あの集落全滅だろうなぁ。。。家の痕跡しか残ってない」
サ「もう魔物が入り込んでるのか・・・。それは良いけどキズナ、後ろから毒液。伏せろ」
慌てて頭を縮めると、先程まで額の辺りがあった場所を何やらどす黒い液体が飛び去ってゆく。
キ「あっぶな!・・・もう、リリィに指示出してたら身が持たないわー。てなわけでリリィ?この速度以内で目的地まで自由に飛んで良し。人は落とさずにね」
リ「クルゥーー」
リリィに飛行を一任したキズナは、一息ついてから素早く辺りを見回してみる。
キ(3人はほぼ無傷、疲労無し、魔力の枯渇は見られない。回復の必要はまだ無いかな?・・・あ、あの壁みたいなので囲われてる場所は・・・)
下のほうに小さく、城壁に囲われたような場所があった。
キ「サトルー。あの壁っぽいので守られてるのって首都ー?」
サ「あー、その壁の中の真ん中にある広場だー。昨日アポはとったから問題ない。人を踏み潰さないように降りてくれ」
キ「じゃあリリィお疲れ様。そこの広場の真ん中に降りてくれる?人を潰さないように」
まあスペースはとってくれていると思うけど。リリィは4人とも掴まっていることを一応確認し、ゆっくりとその高度を下げていった。
毎回小出しになってしまうのはいたって時間が少ないためです。すみません。