なろうに投稿していることが知人にバレたら自己満足のオ○ニーと言われた話
私はかねがね趣味というものは一人でやるべきものだと考えていた。
大人数でやることを前提とした草野球やカードゲームといった趣味
自分のつぎ込んだ物を他人と共有して語り合うバイクやサブカルチャーなど
そういった複数人で集まる趣味の楽しさや心地よさを否定するのではない
ただ私にとって趣味とは誰になんと言われようとも一人ですべきものだったのだ。
そんな私が自宅に招いた友人になろうの小説作成画面を映したディスプレイを見られたのは不注意というほかないだろう
えこれ何?小説家になろう? お前もしかして小説とかかいてんの?すげー
俺ぜってぇこんな自己満足のオ○ニーみたいなことできねーわ
彼は悪人ではない…歯に衣着せぬ彼の性格はある一面から見ればサッパリとして付き合いやすい人柄ではあるのだ。
ただその奥ゆかしき人と人との社交辞令を無視した言葉に動揺して何も言い返すことはできなかった。
何より彼の言葉が強烈すぎる。
自己満足のオ○ニーだなんて言葉はあんまりだ。
自宅でリラックスしながら排便をしているときにいきなりドアを開けられて『貴様の垂れ流した糞は飛び切り臭い!!』と非難されたような衝撃であるといえば伝わるだろうか
こんなにもストレートな罵倒を受けたのは久しぶりで、少し間をおいてグラグラと怒りが湧き上がってくるのを感じた。
そもそも私の趣味はオナニーでは決してない
私のなろう投稿という趣味は自分のフェティッシュと妄想と痴態を詰め込んだ作品を投稿することに得も言われぬ倒錯的な快楽を感じて貪っていただけであり、決してオ○ニーなどでは ウワこれ完全にオ○ニーだ…これじゃ露出狂と同じじゃないか
どう考えても彼の行う私へのレビューは完璧であった。
しかし私も言われっぱなしの人間ではない、頭では纏まらずとも彼にすぐ反論すべきだと心で感じた。
主語が大きくなり不快になる方もおられるだろうが
これは私達なろう投稿者たちへの冒涜であるとその時私は信じたのである。
その大きな意志を背負いながら私は努めて冷静で論理的、そして紳士的な反論をする。
じゃあお前AV女優の○ナニー動画でオ○ニーしたことないのかよ!!!
俺は断然やるね!というかやってるぜ!!!
なに?お前は汚い体の一般人のオナ○ーを見るかって?
素人もの結構!!むしろ大好きだね!!!!
俺は痴態丸出し、趣味全開で曝け出している自分や他人を見て興奮するオナニ○モンスターだ!!!!!
確かこんな風なことを言っていたのだと思う
これが私の冷静で論理的、そして紳士的な反論の限界であった。
私の作品を見たいと駄々をこねる彼に渋々タイトルだけ教えこのことは誰にも言わないように頼み込む
そうして私は彼に口止め料のステーキ宮 リブロースステーキ450g(値段は税抜き4,980円である)を差し出してその場を収めることに成功した。
その晩のことである。
今日あった一日を振り返り、私はもはや一人で楽しむことができなくなった趣味を止めてしまおうかと考えていた。
私の財布と今の心ぐらいボロボロなベッドの上で私はそのような考えに取りつかれているとふと枕元の携帯が発振していることに気付く
それは意外なことに彼からの連絡だった
今なんかやってんの?
なんかみたら楽しそうじゃん
嘘を言わぬ彼の言葉はつまりそのまま真実なのであろう
その一言で陰鬱な気持ちなど吹き飛んでしまった
私の返す返答など決まってる。
もちろん趣味のオナニーさ
その後、彼から個人あてにLINEが来る。
いやさっきの話、お前じゃなくて他の奴らが楽しそうに飲んでたのをTwitterにあげてたから聞いただけだから
私の返した返信は個人ラインではなくグループラインだった。
もう今日はオナニーして寝よう…そう思った。