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始まりの時-2

主人公の一人称は心の中は 僕。

普通に会話する時は俺を使っています。

「ほら、貴方もここに座りなさい」


彼女は座りぽんぽんと坂になっている地面を叩く。別に断る理由もないので僕もそのまま地面に座る。


「なぁ―」

「あーやっぱこのプリン美味しいわぁ」


気づくと彼女は既に特大プリンを食べ始めていた。


「まって!?俺の分は!?」

「取り分ける必要...ある?」

「...いただきます」


彼女は何も気にしてないらしい。まあ別にいいんだけどさ。

僕らは特にこれといった話もせずにパクパクと特大プリンを食べる。


「うまうま~」


彼女が口を開く。シーンとした空気に気まずさを感じたのだろうか。

話を何かしようと思い僕も口を開こうとしたその時後ろから何かがゴロゴロと勢いよく転がってきた。坂なのでそのまま一直線に転がり続け川にドボンと落っこちた。


「え、何!?」

「いや、分かんないけど何か人みたいなのが転がっていったね...?」


僕と彼女はその人らしきものが転がってきたとされる後ろの道に振り向く。そこには時代を間違えたかのような格好をしたヤクザと呼べるような者が3人並んでいた。終いには手に釘バットと呼ばれるような物を持っている。


「おいおい兄ちゃんそれはオーバーリアクションてもんだぜ、ぎゃははは!」


中心にいた男がそう言うと横の二人がその言葉にまるで掛け声でもかけるかのように「よ!流石日本一の男前!」等と中心の男を褒め称えていた。


それに彼女は小さく舌打ちをする。それはほんとに小さな音だったので近くにいた俺にしか聞こえていなかっただろう。


「ぷふぅ...はぁはぁ」...後ろでそんな声が聞こえた。振り向くと川に転がり落ちた人は陸に上がったようでとても疲れたように息を切らしていた。


「はは!見ろよあの無様な姿!社会の負け犬のようだぁ!」

「「そうですね!流石です!」」


彼らがこちらに歩いてくる。


「ん?なんだお前ら、邪魔なんだよ!」


中心の男が僕らに近づくと彼はおもいっきり釘バットを振り上げる。だめだ...時間を駆けるしかないか?いやでも次力を行使したら―――


「スキル発動。パーフェクトアンサー」


「...は?」


彼女はそう言った。こんな状況でふざけてるんじゃないかと僕は感じた。けれどそんな彼女の目は...金色に光輝いていた。


「おらぁ!」

「スキル発動。リフレクター」


中心の男は強く釘バットを振り下ろす。しかし振り下ろされるハズだった釘バットは透明な何かに阻まれその勢いのまま中心の男の頭に帰っていく。


「「兄貴ー!」」


中心の男は頭に帰ってきた釘バットにより何も言葉を発することなくバタリと倒れた。


「「よくも兄貴を―――」」

「スキル発動。次元旅行」


彼女がヤクザの声に被せて言うとヤクザ三人は何処かに消えた。本当に、跡形もなく何もなかったかのように消えた。


「はぁ...見られたからには仕方ないわね」


彼女は僕の方に向きなおしこう言った。


「めんどきさいけど、記憶消さないと」


僕は焦った。ただ、彼女の言葉に焦ったわけではない。彼女の後ろに現れたヤクザが釘バットを振りかぶっているのを見て焦ったのだ。


危ない!―――僕は叫ぶと同時に時間を駆ける。危ない!と叫んでしまうのは一種の反射だ。熱いと手を引っ込めてしまうのと一緒だ。今回戻した時間は3秒。今の僕にはそれが限界だった。


時間を戻した僕は彼女がこちらに振り向いた瞬間に僕は彼女の後ろに向かって空に拳を振りかぶった。するとグッドタイミングで出てきたヤクザを力一杯殴り飛ばす。


「が!...があぁぁ」

「良かった、間に合って...」


僕ははぁはぁと息を切らしながら言う。そんな僕に彼女はかなり驚いていた。


「やっと...見つけた」


他にも彼女は喋っていたが僕が聞き取れたのはそこだけで意識を失った。

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