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オー シャンゼリゼ

作者: 瀬戸 平

小さな画面を指で辿って、Facebookのタイムラインを眺める。青白赤を掲げた人たち。パリに平和を。海外志向の高い同級生や後輩のみならず、どんどんとその輪は広がり、いつしか世界情勢に全く興味がないような人もそれを被る。トリコロールはいつの間にかプロフィール画面を彩る飾りと化したかのようだ。


数日前。自由平等博愛、それを表す三色を国旗とする国の首都はテロにより惨劇の地へと変わった。花の都と呼ばれていたころを思い出せないような暗い世界へと。


人は言う。


暗い世界はここだけじゃない。


報道される部分だけを世界と思うな。


それを聞いてトリコロールはひとつひとつ外れていく。所詮その程度。1分かからずに設定できる平和の祈り。Facebookは主張のかたまり。みんなが声をそろえて次は言う、世界に平和を。


なんて素敵なスラックティビズム(※)。


私は流す、オーシャンゼリゼを。その明るさを早くパリに取り戻して欲しいから。このテロで失ったものを感じたいから。


人は言う。


暗い世界はここだけじゃない。


知ってることを全てと思うな。


素敵な道はきっとどの国のどの街にもあって。パリより前に失われた道もある。武力によって道は消え、人も消え、暗い世界がまた幅をきかす。


オーシャンゼリゼ。

素敵なことが起こる道。

それはきっと明るい世界。


すべての道がそうであればいい。




(※)スラックティビズム(英: slacktivism)は、「怠け者(slacker)」と「社会運動(activism)」とを掛け合わせた合成語である。労力や負担を負わずに、社会運動めいたことをする行為を指す。

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