お仕置きの時間その2。
部屋の中、極寒の南極の様な空気が俺を苦しめる。
一体俺は何をしてしまったのか。
背中がゾクゾクしたままヒューとルーに向き合う。
気まずくてうつむいた瞬間目に入ったのは俺の手。
子にゃんこをナデナデしていた手が淋しくて、にぎにぎしてしまう。
「それで、セバス様。」
ビクッ。
とうとうきましたか。
(……ナにかな?ヒュー。)
「集団で転移を行う危険性と、疑いの晴れない獣人族を公爵家に連れてくる危険性。わかってるよね~?」
口調は大分戻っているが、目が笑ってない。
これは真面目に答えなければヤバイな。
(転移に関しては数回実験してあった。自分の部屋に戻るだけなら今のところ失敗はない。
獣人族も全員こっそり鑑定済みで、害意のある人が居なかったし、移動距離が結構あったから、赤ちゃんの負担を考えて転移した。
ダメだった?)
「……はぁ~。」
ヒューがデカイため息をついた。
椅子の背もたれにダランと背を預けて目を閉じて、ブツブツ言い始めたが声が小さくて聞こえないので放置することにした。
「セバス様、転移の怖さは以前お教えしたはずですが。」
ルーも幾分落ち着いたらしい。
(うん、だからあのあとしっかり練習して、天井にはまるなんてことがないようになった。城内の転移なら完璧!)
………………。
ヒューもルーも天井を見つめて声を出さない。
一体俺がやっちまったのはそんなに酷いことだったのか?