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俺とヒュー。

ルーが、金髪の少年を連れて俺の部屋に来たのは、あれから3日程経った真っ昼間だった。


黒髪黒目、全身真っ黒なルーの少し後ろに、ルーより少し背の低い派手目なイケメン少年がヘラヘラと立っている。



(ルー、その子誰?)



「セバス様、これは、セバス様付きに決まりましたヒュースガルディー・サズ・パルクルト。まぁ、私の弟のような者です。」



名前超なげー!

ルーとあんまり似てないな…ってのが俺の最初の感想だった。

少年が一歩、ルーの前に出る。その時チラッとルーの顔を横目で見て、笑みを強くしてから俺を見た。

ほぇ~。金髪碧眼、どこの王子様だよってくらい、キラキラして眩しい!右側だけ伸ばした髪を編み込んで飾り紐で結んでいる。

しかしモテそうだな~。

ルーも渋くてイケメンだけど、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出している。

こいつは甘い感じで優しそう。

俺はヒューなんちゃらを見つめ……見つめ……。

そのあまりの顔の整いっぷりに感動し、はしゃぎ出した。


なんだと~?!

こんなカッコいい奴が俺の付人をしてくれるとな?!



(ルー!ルー!なにこの子、スゲーカッコいい!抱っこ、抱っこ~!)


「あ~!あ~!」



「……おぃ、ルー……。こいつ、僕見て笑ってるんだけど……しかも抱っこを要求してるように見えるのは気のせいかな…。」



すげ~!

赤ちゃん言葉でもヒューは俺の意思をくみとってくれましたよ!

空気の読める男だな!

しかも困った顔もイケメンだ!

俺も大きくなったらこんな男になりたいわ~!



ルーが、俺のテンションに若干引きつつ、ヒューに通訳する。



「……ヒュー、言葉遣いには気を付けろ……。

セバス様に、ご挨拶を。

………………抱っこしながらな……。」



ん?

一瞬ヒューの笑みが消えたように見えたが……俺の見間違いか。

ヒューは優しく俺を抱っこして自己紹介してくれた。



「初めまして、セバス様。僕はヒュースガルディー。地方を回っておりましたので、ご挨拶が遅くなり、大変申し訳ございません。本日よりセバス様付きになりました。よろしくお願い致します。」



(これは、ご丁寧にありがとうございます。こちらこそ、宜しくお願い致します。)



何事も始めが肝心。元日本人で一般庶民な俺は、芸能人張りのイケメンの眩しさに負け、何故か敬語で返事をしてしまった。

次の瞬間、俺の体が重力に従い落下を始めた!


~!!

びっくりした~!!

俺は慌てて風魔法を使い、床との衝突を免れる。

ついでに風のクッションで体を起こしたまま浮き上がり、何が起こったのか把握しようとする。



あ、イケメンが、すんごい顔してる!

余程驚いたのか、ヒューは目を見開き、腕を中途半端にダランとしたまま固まっている!!



……あ~。

そういえばルーに初めて話しかけた時もびっくりしてたもんな……。


やっちまった~。

だってな~俺の付人だって言ってたから全部知ってるもんだと思ってさ~。

普通はさ~。そう思うよね?



(ルー?話してなかったの?!)



俺は少し不貞腐れて尋ねた。

今度はルーとヒュー、2人一緒に聞こえるように魔力を流す。


ルーが手で口元を隠しながら返事を返してきたが……ルー、笑ってるの、バレバレだからな?!



「…ごふっ、セバス様、人は……ふっ、己の眼で見ぬと信じないものなのですよ。……ふふっ。」



いや、言ってることは解るんだけどね、ルー。

俺、今死にかけたからね?

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