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意思の疎通に成功しました。が。

鈴を鳴らしてしばしの時が経った。



……あれ?ルー来ないんだけど。昨日のこと、まだ怒ってんのかな……。あいつめ、赤ちゃん相手にオトナゲないな~なんて、自分を正当化しつつ、内心ドッキドキしながら待つ。

なんか用事あったのかな~でもこの時間帯に喚んで来なかったことないもんな。




もう1回鳴らして駄目なら今日は諦めよう!


チリンッ。



スッと横にルーがいた。

めっちゃびびった!2回目早いよ、早すぎるよ!!

しかし俺は頑張ってテレパシー、いや念話?ん~魔力通話?にチャレンジすることにした。


(ルー、昨日はごめん。反省してる)


すると、なんということでしょう!

ルーが驚愕して目を見開き、1歩後ずさったではないですか!

さらに部屋の中を警戒し始めた!

誰もいね~よ!俺だよ!ドッキリとかじゃないよ!!

これはいかんと思い、風の魔法で起き上がり、風のクッションに乗ってルーに近づく俺。


(俺、本当に反省してるんだ、許してくれないかな)


1歩下がるルー。


少し近づく俺。


1歩下がるルー。


ちょびっと近づく俺。


(やっぱり怒って……)


俺の言葉は遮られた。ルーによって。


「セ、セバス様ですか?!話せるように?!」


(いや、俺、まだ赤ちゃんだし。言葉話せないからこうやってだね……)


そしてまたルーに遮られる。


「で、ではどの様な方法でっ……」



……何だかめんどくさい。俺の救世主ルーなら、クールな感じで受け止めてくれると思ったのに。それともこういう魔力の使い方って今までなかったのか?



(え~魔力に思考を乗せて、ルーに送っております。聞こえますか~)


ルーがは?って顔してるから新しいやり方だったようだ。


「……セバス様なら、不思議ではないですね……申し訳ありません、取り乱しました。」


何気に失礼なこと言ったよね……?


(いや、驚かせてごめん。どうにか話がしたくて考えたんだけどこの方法しか思い付かなくて。鈴だけだと細かいこと伝えられなくてさ。)



良かった。ルーが普通になった。しかし端から見たら1人で赤ちゃんに話しかける男……キモいな。人のいるとこじゃこの方法気を付けなきゃな。


「左様でございましたか。して、今日の御用は?」


(ん?ルーに昨日のこと謝りたかったのと、会話を試してみたかっただけ。ルーが大丈夫なら、他の人とも話ができるとおもってさ。)


「……セバス様、大変申し上げ難いのですが……私はともかく、他の者にその魔法を使うのは控えられたほうが……」


(え~なんで~?せっかく成功したのに~!)


ルーなら喜んで賛成してくれると思ったのに!何でだよ!


「異常だからです。」


きっぱり言われてしまいました。


ルー曰く、魔法で会話など、誰もしない、それを赤子が行っていること。まず根本的に、生後半年足らずで魔法を使用し、さらに自我が既に確立していること、などなど、今まで俺がやっていた全てが可笑しなことだと事細かに説明するルー。

俺、全否定されました。可哀想な俺。


(じゃぁ、俺、どうしたらいいのさ。)


ちょっとふぇってなりながら、ルーに苛立ちをぶつける。

ルーは真剣な顔をして俺を見ている。


「……セバス様は最初にお会いした時からそのような……自我がおありで?」


(そうだよ。)


「私の一存では決められぬことですので、少し時間をいただけますか?」


何を決めるか良くわからんかったが、俺はルーなら何とかしてくれると思ってそれを了承した。

ルー頼りは控えようと思っていたのに、なかなか難しいな……。



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