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プロローグ


 四季は有るものの、比較的温暖な気候に恵まれた土地に建国されたザッカルディア王国。

 建国以来、他国との戦争は起きても内戦は一度も引き起こしたことが無いという誇るべき歴史を持つこの国には、平民を始めとする身分制度が薄らと浸透している。

 貴族から平民になったり、平民が事業を起こして貴族へと伸し上がったりと身分変動は激しいが、歴代賢王が納めるこの国ではそれに不満を持つ人々は限り少ない。


 その中の一貴族。

 かつては平民であったが、起こした事業が功を成し当時の国王から貴族の地位を拝命した商家貴族オルランディ家。野菜・穀物を始めとする食品から、木材・人力に至る様々な方面へと今も尚事業を拡大し続けているザッカルディア王国きっての商家であり、国王からの信頼も厚い。

 生まれてくる子供たちは何かしらの才能を持っており、眉目秀麗である。



 だが――。



「ねぇ聞いた? オルランディ家の次女って、凡才なんですって。」

「聞いたことある! 商才が無いって噂だし、最後の砦であった容姿すら残念なんだって? かわいそうー」


「オルランディ家の第二ご息女フランチェスカ様……。容姿がもう少し可憐であったら、相手をする価値もあったというのに……」

「容姿に恵まれなかったのなら、せめて商才や勉学などに明るければ、また違った道を歩まれていたのではなぁ……」




 フランチェスカ・オルランディ。

 多方面でその名を轟かせるオルランディ家の娘でありながら、その一切を受け継ぐことが出来なかった不出来な娘。勉学も運動も普通で、詳細は一切無い。容姿を例えるならば、薔薇ではなく野花と称された方が違和感が無い。

 実の家族を始めとするオルランディの名を受け継いだ一族からは疎まれ、社交界にすら出させてもらえなかった哀れな娘。一部を除く使用人にすら、十六となった今でもその存在を疎まれ続けている。

 ――だが、そんな彼女には誰にも言えない小さな秘密がある。




 これは、平凡な女の子であるフランチェスカと、彼女を取り巻いたラブロマンスの話である。




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