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エリオンの決意

 エリオンは、城の裏にやってきた。城は巨大で、太陽の反対側はほとんど影になる。

 木刀を持ってきたエリオンは、それに鎖を巻いた。

 手首にまで、木刀の重みがずっしりと伝わる。だが、それはもう慣れたものだ。

 素振りをすると、肩から先の筋肉と関節が軋む。

『だけど、こんなんじゃダメだ……』

 もっと、もっと、何度も続けていかなければならない。

 腕が上がらない。動きが硬くなる。だが、それでもふんばって木刀を振り続ける。

『もっとがんばらなくちゃ』

 エリオンはそう考えてがむしゃらに木刀をふり続けた。


 夜になり、壁に白い石を積み立てられている廊下は真っ暗で何も見えない。その壁のなかの一部が、ギギギ……と、音をたてて上がっていった。

 上がった壁の向こう側は、掘られた地下道になっており、この城の城下町を囲む城壁の外の森の中にある大きな木の根元につながっている。

 その穴の中から、何人もの男達が姿を現してきた。

 汚れた靴が王宮の廊下を踏みしめると、ドロがベッタリと床に残る。これでは、隠し扉の場所がバレバレである。

「中の構造は頭に叩き込んでいるな!」

 男達の中の一人が大声で言う。その声は城中に響き渡るほどだった。彼らは隠密行動をする事なんて考えていない。

 卑しく、思慮に欠いた盗賊達の行動である。

 だが、今は城の警備は手薄だ。暗殺事件はすでに解決をした。騎士達の気が緩んだのもあり、暗殺団の襲撃で痛手を受けた警備の兵が、体制を整え直しきれていないのもあった。

 警備の手薄な王宮の中を、盗賊達が蹂躙する。

 盗賊達が狙ったのは王族達の生活スペースだ。そこなら宝石がゴロゴロしているだろうと考えての行動である。

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