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シビリオスの価値

 バルテだって、即答でいい返事がもらえるとは思っていない。さらにシビリオスに聞いた。

「理由を言ってくれないか? 別に、俺の直属になれって言っているわけじゃない。俺の部下にあたる奴だが、それなりに切れるし年だってお前より高い。お前だって、肩を並べていた奴にアゴで使われたくはないだろう?」

「そんな事が理由ではないのです。私は騎士として死にたいだけです」

 自分はこの国の王子の命を狙った。だから処刑をされるのは当たり前の事だ。自分は騎士としてこの国のきまりに従って生きていく。死ぬときまでそうしていくつもりだ。

 シビリオスはそうした趣旨の事を言う。バルテは、渋い顔をしてため息を吐きながら言った。

「俺には理解できん」

「それに、私は早まった事をしてしまいました。もう少し、エリオン様の事を信じればよかった」

「あいつに信用のできる要素はないと思うがな」

「ですが、あの妃様ならどうでしょう?」

 バルテにはだんだんと読めてきた。

 シビリオスは、計画の中で、『エリオンを殺す』事と、『てつはうなどの新しい技術をこの国に入れる』事に固執を続けた。

 何のためにこれらの事が必要であったのだろう?

『この国のため』

 エリオンは次の王としては頼りない。次の王となってもらうには不安がある。

 エリオンがいなくなったところで、他の者が手を上げて王の座に座りたがるだけだろう。ならばエリオンにはいなくなってもらうのが一番ではないのか?

 だからエリオンを殺そうとした。

 そして、諸国を漫遊し、未知の兵器を使う部隊を連れ帰り、それを国の中に加えようとしたのは、バルテにはとくにひっかかる。

「外の国で何を見た?」

「『てつはう』の中に内蔵されている、火をつけると爆発をする『火薬』その火薬の力を使い、鉄の玉を飛ばしで敵を撃ち殺す『銃』」

「想像もつかんな」

 世界は大きく動いている。バルテにはまったく想像できない武器の開発が他国では進み、その力がこのアレンファルドに、いつ向けられるか分からない。

 その危機感を感じたから、シビリオスはこの計画を実行したのだろう。

「それを聞いたら、なおさらお前を処刑するわけにはいかんな」

 バルテは言った。

 シビリオスの前から立ち去り、自分の謀略を張り巡らせる事を考えはじめる。

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