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犯人特定
バルテの発表は、国の謁見質で行われた。
バルテは、入り口から王の座に続く、一枚の長い絨毯を歩いていった。
数段の階段で、少し高くなったところに王座が置かれている。国王の許しが無い者がこの階段を登ると、それだけで罰せられるものだ。
その階段の前まで歩き出たバルテは、ひざまづき、王に向けて宣言をする。
「これより『エリオン王子の暗殺事件。バルテ・ヴィランドによる犯人公開』を行わせていただきます。玉体に背を向ける無礼をお許しください」
王は、今年で五十歳になる。病でやせこけた体をしており、いつ崩御をしてもおかしくない状態であった。
だからこそ、初めて生まれた男子であるエリオン王子は、この国の後継者として重要な立ち位置にいるのだ。
まだ五十歳とは思えないほど、深い皺の刻まれた顔。たくわえた髭は、枯れてしまったつた植物のようにシワシワで、威厳を感じるどころか、今にも折れてしまいそうな枯れ木のようなイメージを、さらに強調することになっている。
「うむ……」
王が枯れた声でそう言うと、バルテは振り返って自分が部下にまとめさせた書類を読み上げた。




