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それだけの驚異

「シールズ。お前なら『てつはう』をどう使う?」

「僕ならこれの大型化を考えるね」

 大型になれば、威力だって桁違いになるはずだ。

 シールズは、これをカタパルトで城に投げ込んでいくという案を語った。

 山のどこかにカタパルトを設置し、そこから投げ飛ばせば、城まで飛ばすことができるだろう。そうなれば、一方的に城が攻撃をされる事になる。

「そして、それを止めるために、山の下から攻めあがっていったら、これが山の上からコロコロころがってくるわけだ」

 バルテが言う。カタパルトを破壊するために、軍隊に山を駆け上がらせたとする。そうすれば、山の上からこの小型のてつはうがなげつけられる。

「そうなれば、弓で応戦をすればようではないか」

 重鎮達の中でそう声があがる。

「弓の打ち合いになれば、むしろこっちが負けます」

 高さの差というものがある。高い場所に立ったほうが、見通しもいいし、矢の飛距離も伸びる。敵に、高い場所に立たれるというのは、それだけでも勝敗を大きく左右する事態であるのだ。

「それと春火」

 バルテが言う。

「お前は『てつはう』の事をしっているらしいな」

 春火はそう言われ、しっている限りの事を話す。春火が話した事の中で、バルテが気にしたのは、これが七百年以上前の武器だという事だ。

「現在はどのような武器が使われているんだ?」

 春火の父は自衛官。いろいろな武器の話も小耳に挟んでいる。

 一般の人間が知っている以上の知識を教えられ、バルテの顔はくもっていった。

「想像すらできない話だな……」

 空を飛ぶ鉄の船。敵の位置を把握するための探知機。街を一つ跡形も無く吹き飛ばす爆弾。

 バルテにとっては実感の沸かない未知の話だ。

「だけど、当面の問題は、このエリオン王子の暗殺事件じゃないかい?」

 春火はそう言った。この世界で、いきなり、戦闘機やレーダーや、核兵器が実装されるとは思えない。まずは、目の前の問題を片付けるべきであろう。

「実行犯は捕らえてある。後は犯人から黒幕を聞き出すだけだよ」

 シールズは言う。

「ああいう奴らが簡単に口を割るか?」

 バルテがにやりと笑いながら言った。

「まあ、やってみないと分からないさ」

 シールズは、メガネをかけなおしながら答えた。

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