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戦いの後

 その場に居合わせた騎士。そして、春火達が、縄で拘束をして、廊下の隅に並べさせた黒ずくめの男達の持ち物をチェックしているところである。

「これが、春火の言っていた『てつはう』ですね」

 セラシュが『てつはう』を持って言う。

 手に持てば、ただの鉄の塊。

 重さから、中にまでぎゅっと鉄が詰まっているわけではないのが分かる。他の騎士に『てつはう』を渡し、全員にまわすようにした。

 騎士は『てつはう』を、手の中で転がしてみたり、顔の前に持ってきてよくよく見たりして、てつはうの事を調べていた。

「春火。なぜ『てつはう』の事を知っていたのですか?」

「僕の世界じゃ全員がこの事を『一般教養』として習うんだ」

 セリエアは目を細める。

「こんな危険な兵器の存在を、国中の人間が知っているというのですか?」

 セリエアにとっては、兵器というのは機密中の機密であるという認識である。

 こんな危険なものであれば、存在そのもの秘匿しておくべきであると考える。

「まず聞きたいんだけど、この国で最強の兵器ってのは一体どんなものなんだい?」

「本来ならば機密なのですが……」

 春火が聞いてきた。セリエアは、今の状況は普通の状況ではないと考えて、その質問に答える。

「男が二、三人で運ぶような岩を遠くまで投げ飛ばす、『カタパルト』が現在の最強武器になります」

「なるほど……」

 春火は、苦笑いをして答えた。

「『てつはう』っていうのは僕らの世界じゃ七百年以上前に使われた原始的な武器なんだ。だから、『兵器』としてではなく『学術的な知識』として、『てつはう』の事を習うんだよ」

「春火の世界では『てつはう』に武器としての価値はないという事ですか?」

 アレンファルドにとって、この事は大問題であった。

 この国ではまだ火薬が発明されていない。

 着火には動物のフンを乾燥させて砕いたものを使用しているのだ。それを使って、火を起こして釜で料理をするという生活を行っている。

 春火にとっては、原始的なものでも、アレンファルドの人間にとっては、未知の技術を使った、強力な兵器に見えるのだ。

「この事はバルテ様とシールズ様に教えておかねばなりませんね……」

 夜が明けて、二人がこの城にやってきた時、判断をあおいだほうがいい。

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