敵襲
ベッドで寝ているエリオンに、その護衛をしているセラシュ。
真っ暗な部屋である。セラシュは剣を抱え、壁に背を預けながら、周囲の様子をうかがっていた。
「エリオン王子はここにいてください」
警笛の音を聞き、セラシュは剣を抱えて起きだした。部屋の外の様子をうかがうために、外に出る。
階段を下りたところ、下で騒ぎが起こっている。そこでこの城の騎士が、黒ずくめの男と戦闘をしているのを見つけて、セラシュは剣を抜いて黒ずくめにおそいかかった。
その黒ずくめの背中に、炎の玉が飛び込んでいった。
これは、セリエアの魔法だ。
階段を降りると、魔法の杖を持ったいつものローブ姿のセリエアと、寝巻きのまま剣をかまえている春火の姿があった。
「セリエア様! 状況はどうなっていますか?」
「正体不明の敵です、数は五」
セラシュとセリエアが短く会話をする。たった五人であるなら、すぐにでも殲滅できるだろう。
「私も参加します!」
セラシュは階段を下りて黒ずくめ達におそいかかった。
黒ずくめの男達は、数方向に分かれていく。その中で、一人が鉄の塊を投げつけてきた。
騎士達の足元に落ちたその鉄の玉を、騎士達は何でもないもののように無視した。
一人だけ、春火はそれを見て顔を青くする。
「それは『てつはう』だ! みんな物陰に隠れて!」
春火はすぐ近くにあったテーブルを倒してその後ろに隠れた。セリエアとセラシュも、春火の言葉を聞いて物陰に隠れる。
鉄の玉は爆発をした。
鉄の破片が飛び散り、近くにいた騎士達を襲う。
黒ずくめ達は、爆発でひるんだ騎士を切り捨てていく。
その中で、春火は怒声をあげた。
「敵は散開した! 各個撃破だ!」
春火は、近くにいた黒ずくめに向かって行った。
セラシュから受け取った剣をかまえ、左足を前に出し、剣先を後ろに向け腰を落とした。
その姿勢から、剣を振り上げ黒ずくめの剣をたたき飛ばした。
それから、春火は肩からぶつかっていく。タックルのつもりでぶつかったのだが、黒ずくめはびくともしない。
黒ずくめは春火のわき腹に膝蹴りを入れた。だが、春火は歯を食いしばって耐え、黒ずくめに体重をかける。
それで一瞬の間、黒ずくめの動きが鈍る。
足を後ろに置き、春火が押し込んでくるのに合わせて重心をずらす。バランスが整った黒ずくめは、春火を押し返した。
押し返された春火は、倒れる。黒ずくめは腰の剣を抜き、春火におそいかかろうとした。
その時、黒ずくめの背後に回りこんでいた騎士が、黒ずくめの背中を切り捨てる。
起き上がった春火は言う。
「敵はあと四だ! 一機ずつ倒していけ!」
春火は怒声をあげる。騎士達は、春火の指示に従って動いていった。




