セラシュの利用価値
セラシュは、胸の前で拳を作った。
セリエアが言ったのだ。
『大変によろしかったですよ』
自分の考え、行動は正しかったのだ。そう考えると、次の行動に移る原動力になる。
これからバルテに会う事になる。次も、有用な情報を吐かせてやろう。拳を作りながらそう思った。
セラシュは、決意を固めていつもの場所に向かっていった。
今日も、セラシュはバルテと刺すような話し合いをした。もちろん、そう考えているのはセラシュだけだ。バルテはセラシュに、もう用は無い。
『バレバレなんだよな……』
セラシュがいつも通り、獣のように目を見張って自分の事を見つめているのを見て、バルテは思った。
これでは、何かを狙っているのが見るだけで分かる。これを見ると、バルテには、セラシュが物欲しそうな動物のように見えてくるのだ。
エサを狙っている動物は、どうやれば操れるか?
パンをちぎって少しずつ与えるように、話を小出しにして与えていけばいい。
そう考えればこの騎士を操るのはそう難しくはない。ただ、バルテにとってはエサまで与えてまで操るほどの価値は、もう無いのだ。
「次回に会う日は未定にしましょう」
話の最中に、頃合を見つけてバルテは言った。
バルテだって自分から情報が聴き出せなくなる。それなのに、何でいきなりそんな事を言い出すのだろうか? セラシュはそう思う。
セラシュは、今の自分のおかれた状況に気付いていない。だからこそ、これからもバルテから何かが聞きだせると思ったし、自分は上手くやっていると思った。
セラシュの頭の中に、いろいろな考えが浮かぶ。この関係をバルテと続けるためには、これからどうすればいいだろうか? 自分の持っているもので、どうやってバルテに対抗をしていこうか? そう考える。
とりあえず、相手がどう考えているか分からない。セラシュは聞いてみた。
「どういう事でしょうか? 何かご予定でも?」
「ええ……最近忙しくなってきまして」
バルテは言うがこんなのは嘘に決まってる。セラシュは言った。




