エリオンの言う事
それから、セラシュは休むために自室に戻っていった。
それを見送った全員は、セラシュがドアを閉めるのを確認した後、息を潜めてセラシュの足音が遠くへ行くのを待った。
セラシュの足音が聞こえなくなると、セリエアから話し始める。
「エリオン王子。どのようなつもりなのですか?」
エリオン王子は、セラシュに向けてバルテからこの件を聞いたことを話すように促した。
「セラシュは、早く自分から言った方がいいよ」
エリオンは、セラシュに助け舟を出したつもりなのだろう。
「エリオン王子は考え方が甘い」
それに答えたセリエアが言う。
授業の続き。それとばかりに、セリエアはテーブルに紙を広げ始めた。
「セラシュはこれからバルテ様に、切り捨てられます。そこで、私はどの段階で彼女が『自分から』この事を白状するかを、見極めようと思います」
「『気付くのはいつも最後』ってね。だけど、それじゃ困るわけだよ」
リミラがセラシュの話を要約した。
人は皆、事態が少し悪くなったぐらいじゃ『悪くなった』と感じないものだ。むしろ、『いままでがこうだったのだから』と考え、同じ方法で損害を取り戻そうとするものである。
「セラシュが私達の『仲間』ならば、『最後になってやっと気付く』ようでは困ります。早い段階で、私にその事を打ち明けてほしいものです」
セリエアは、セラシュをふるいにかけている。早く自分の間違いに気付いて考えを改める事を望んでいるのだ。




