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セリエアの本心
セリエアは、廊下を歩いている。これから、自分の召使に連絡をして、シビリオスの家に向かわせて現状の確認をさせるのだ。
外で出会ったシビリオスの顔色が悪かったのは、シールズの事が原因であったのかもしれないと考える。
シールズの捜査に遭い、その対応に追われて忙しかったのだろう。
そして、セラシュの事も考える。
セリエアは、バルテから聞いた話を仲間の騎士から聞いたと話した。この辺の嘘は、話をする前に考えていたのだろう。
「まだ、見所はあるのですが……」
シビリオスが、シールズから詰問を受けていると知り、自分に連絡をしてきたのはいい判断だ。
やっていい事。やってはいけない事。それらの事を最低限理解するだけの知識と常識は持ち合わせている。
あとは、経験値であると思う。
バルテがいつも使う方法を知らない。シールズとの微妙な関係も知らない。気持ちが前に出すぎて、自分が好きなように使われている事に気付いていない。
「まあ、習うより慣れろです」
このような、見えない刃で刺しあうような政略戦は、セリエア自身はよく経験をしていることだ。
仲間の裏切りが起きても、平常なままでいる胆力を持つセリエアは、セラシュが次にどう行動をするか? 目を見張って追っているのである。




