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春火がセラシュを見つけると

 春火は、きらびやかな装飾をされた王宮の廊下で熱心にメモを取っているセラシュに声をかけた。

「そこまで熱心だと呆れるね……」

 そこは、王宮の廊下である。王族専門のメイドや、ここしか足を運ばない貴婦人など、使用人達のスペースばかりにいては会えない人間も多い。

「ノートの事はもういいや」

 セラシュのメモの事は棚置きして、本題に入っていった。

「新しい事が分かったよ」

 エリオンの暗殺事件の速報である。

 盗賊が、毒を飲んだとされるビンから、毒が検出されなかったという事である。

「それがどうしたのですか?」

 セラシュが聞く。

「いまのところどうにも。重要な証拠になりそうだってセリエアが言っていたから、これから、セリエアが何か考えていくだろうね」

「そうですか……」

 春火が言うには重要な証拠だという事である。顔には出さないが、セラシュは内心喜んでいた。

 これで、バルテと交渉をするネタができたのである。

 これまで、特に重要な情報をこちらから出す事ができなかったので、バルテの態度も慎重であった。あまり不用意な発言はしない。期待していた、新しい情報も手に入らず仕舞いであったのだ。

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