セラシュの謀略
王宮の離れに建物がある。それは、使用人達の食堂として使われており、質素なレンガ造りの建物だ。
素朴な作りの木の長テーブルと木の椅子が並べられている。百人を収容できる広さの部屋には、木のテーブルが十程度ならんでおり、床は、年季が入り、木目の浮き出た木の床だ。
その中で、一つの机をはさんで向かい合って座る二人組がいた。
「あの、シビリオスという男。怪しすぎます」
バルテに呼び出されて、セラシュが向かい合って話をしているところだ。
今は昼過ぎで、全ての使用人が昼食をとり終えており、この部屋にいるのはこの二人だけとなっている。
「シビリオスですか……彼が帰ってきているのですか?」
バルテは眉をひそめて聞く。
「シビリオスという者を知っているのですか?」
セラシュは、半年前にこの城に入ったばかりで昔の事はよく知らない。バルテは、シビリオスの事を話し出した。
「誠実って言葉をそのまま人間にしたような奴です。奴は約束は必ず守ります。だから、王宮の人間の信頼は厚い。もちろん、そういう奴の常で、面倒を押し付けられたり、いらない責任を取らされたりしている姿も見ました」
「あなたも、あの男なら信用できると思っているのですか?」
「思います……」
バルテも、シビリオスの事は疑っていないというのだ。
セラシュは、自分も考えを改めるべきなのではないだろうかと思い始めた。
「シビリオスの事、知っている限り教えていただけますか?」
「そうですね……」
セラシュの質問に答えて語りだしたバルテ。




