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シビリオスとセラシュ

 セラシュは、胸の前で拳を握った。豪華に作られた王宮の廊下を、どことなく威風堂々とした様子で歩く。

『私はバルテ・ヴィランドを出し抜いてみせます』

 セラシュは、バルテを使って、これから情報を集めるつもりだ。

 自分はただの騎士であり、権謀術数には疎いと思っていた。だが、セリエア様の警戒をしているバルテ・ヴィランドという相手は、自分にも十分に対処のできる相手であったのだ。

 セリエアが警戒をしている相手でも、あの程度だ。

 この戦いは、自分には縁の無い、知識同士の戦いである。口を挟まないように考えていたのだが、実際は自分でも通用のするもののようである。

 もしかしたら自分もエリオン王子の暗殺事件の捜査に参加ができるかもしれない。

 だが、この事はセリエア様にまだ教えないほうがいい。この件を教えたら、セリエア様にこの件を預かろうとされるだろう。

 何かの成果をあげることもなく、この好条件をあけ渡すことになったら、自分には何も残らないではないか。自分が評価をされる機会を、自分から潰すことは無い。

 服の襟を整え、セラシュはセリエアの部屋の前に立った。顔を引き締めてゆっくりと扉を開ける。

 そうすると、中にはいつものメンバーが揃っていた。春火とセリエアはセラシュに向けて笑顔を向けた。そして、ばつが悪そうにして座るエリオン。ばつが悪そうに見えるのはいつもの事である。彼の普段からの自身の無い様子がそういうところからも目に見える形で見えている。

 そして、見知らぬ顔の男を見た。その視線に気付いたその男は、立ち上がって礼をしてから自己紹介を始めた。

「シビリオスと申します」

 そして、それを油断なく睨みつけるセラシュ。

 それを見た春火は、苦笑をしているように口元をゆがめた。

 それが何か分からなかったセラシュだが、礼儀を守り、礼を一つした。

「あなたは一体何者ですか?」

 セラシュがそう言うと、春火は額に手を当てて、奥歯を噛んだ。口元は苦笑を見せている。

 そして、シビリオスは、答える。

「私は最近まで周辺諸国を漫遊して見聞を広めておりました。リミラ様とは昔から親しくさせていただいております」

 その様子を、目を見張ってみていたセラシュが言い出した。

「それは、リミラ様とご結婚をされるという意味でしょうか?」

 春火は、セラシュとシビリオスの間に割ってはいるように、手のひらを出す。

「セラシュ。失礼だよ」

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