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シビリオスという男 2

 シビリオスも、エリオンについて不満を持っているようである。嫌われている様子ではないにせよ、エリオンは敵が多いようだ。

「失礼。出すぎたことを言いました」

 シビリオスは頭を下げた。

「いいのですよ。あなたと我々の仲ではありませんか」

 セリエアが言った。

 すこしばかり柔和になった表情を見せるセリエア。

 セリエアがここまで心を許すというのは、何者なのか? 春火は不審がりながらもそう考える。

 そこにリミラが口を開いた。

「シビリオスさん。お兄ちゃんの心配に来てくれてありがとう」

「いえいえ。私は当然の事をしているまでです」

 リミラはシビリオスの隣の席に座り、お互いに顔を見合わせながら会話をしていた。

 紅茶のコップを持って立つセリエア。

「お茶を淹れなおしてきましょう」

 全員分の紅茶カップを持ち、冷めた紅茶をトレイに乗せて部屋から持っていこうとするセリエア。

「僕が淹れてくるよ」

 そのセリエアからトレイをひったくったリミラが、かけあしで部屋を出て行った。

「うれしそうにしていましたね」

 セリエアが、リミラが出て行った扉を見つめながら言う。

 春火は考える。二人のこの仲の良さは、怪しい。エリオンがもし暗殺をされる事になれば、王位継承権を持つ人間はバルテとシールズだけじゃない。

 リミラだってもっているはずだ。リミラと将来結婚する事になる者だって、持つ事になる。春火は、さぐりを入れてみることにした。

「ずいぶんリミラになつかれているじゃない」

 春火がシビリオスに向けて言った。

「はい、何か用があるたびに、エリオン様の様子を窺いに来るのですが、その時はいつもリミラ様と一緒でしたね」

「リミラの事は好きかい?」

「はい。ずっと一緒にいたいくらいですよ」

 春火はそれを聞いて、目を見張る。

 その姿を横目で見ていたセリエアが言う。

「春火。あまり詮索をしないように」

 あわてた様子の春火は、言う。

「いや、そんなつもりはないよ」

 取り繕いの言葉を言った春火は、セリエアの視線に痛みを感じる。

「彼は信用の置ける人間です。リミラ様やセラシュにするのと、同様に付き合ってください」

 シビリオスの事を疑って、探りにかかっていたのを見抜かれた春火は、セリエアに睨まれて肝を冷やした。

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