やっぱり興味があるみたい
「メモをしたノートは僕が取り上げておいたよ。読んでみるかい?」
「興味ありません」
セリエアは即答をしたが、春火にはそれがどうもわざとらしく見えた。
返事が即答すぎるのだ。本当は興味があるんじゃないか? と春火は考える。
「ふーん……」
セリエアの様子を窺う春火。春火はセリエアに見えないところでニヤリと笑った。
セラシュから取り上げたノートを開くと、中身を読み始めた。
「あのキッチンメイドのディーナは95点の大台を記録してるね」
「……そうですか」
「リミラは60点だよ。まったく勝手な事を書くね。僕は40点だね地味に辛口だ」
春火は、さらに中に書かれている事を読み上げていく。
「そういえば、そろそろ散歩の時間だから行ってくるよ」
ノートを置いてセリエアの部屋から出て行こうとする春火。
「置いていかないでください!」
「後で取りに来るよ!」
春火は、それでセリエアの部屋から出て行く。
「まったく……困ったものです」
春火が置いていったノートを見て、ため息を吐くセリエア。
「中に、何が書いてあるんだろう……」
エリオンが言う。それに反応して、セリエアはノートに手を伸ばした。
「あの子……本当に城中の人間の……」
中身には、びっしりと城の人間のデータが書き加えられていた。
「王妃様まで……そういえば、この任を受けるときに会っていたのですね……」
一度しか会った事のない人間のデータまで作っている。セラシュの徹底ぶりは見事だった。
さらに、一度しか城に来たことのない人間のデータまで入っている。セリエアはその記述を読み上げた。
「シェリーフィンサ・レグドナルズ。服のデザインに隠れてまったく見えない。だが、まったく存在しないのは明白である。点数をつける価値はなし」
セリエアは、見覚えのない名前を思い出そうとして頭をめぐらせた。
「これは一度だけやってきた隣国の姫様の名前ではないですか! 点数をつける価値はなしとは何ですか!」
「あの……セリエア……」
エリオンがセリエアに声をかけた。エリオンに目を向けると、エリオンは入り口の方を指差していた。
「春火君が……」
そう聞き、セリエアが入り口のほうを見ると、春火がいる。ニヤニヤと笑っている春火は言う。
「やっぱり興味あったんじゃないか」
「いや……これはですね……」
クスクスと笑う春火に固まったセリエア。エリオンはオロオロしている。異様な光景が少しの間続いた。




