その時のセラシュは1/2
エリオンの警備はセリエアに任せ、春火は城の中を散歩していた。
この城の使用人達の生活スペースの様子を見てみる。貴族達の動くスペースとは違い、壁には模様などない。しっくいで固められた石がいくつも積まれていおり、四角く切り出された一抱えほどの大きさの石が、組み合わさっているのがむき出しになっている。
ここの様子は、昔のヨーロッパの様子とよく似ていた。
セリエアが魔術師という事で、生活にも魔法の道具などが使われていると思っていたが、魔法の存在など全く感じる事のできない、典型的な昔の生活様式で、生活をしていた。
料理はかまどを使って行い、洗濯にはタライと洗濯板を使い、天日でシーツを干している。
白いシーツがいくつも並んでいるのが城の窓から見え、王宮の正面の方の華々しい庭とは違い、清潔感のある風景が広がっていた。
今、薪をくべて料理をしているキッチンメイドの姿が見える。
大勢いる王宮の人間の料理をまかなっているだけあって、十近くの数のかまどが並んでおり、三人で全部のかまどの火をみているようだ。
その様子を遠くから見て、熱心にメモをとっているセラシュの姿を見つけた。
「何をしているんだい?」
セラシュの背後から声をかける春火。
セラシュは、春火には振り向かないで前を見すえながら答える。
「城内の事を調べています。まったく、勉強になる事ばかりです」
「ふーん」
そう言って、春火がセラシュのとっているノートを覗き込む。
『庭師のラサ。目測75センチ 形はよく、歩くときにわずかに揺れる。柔らかい質感であると予想。70点』
『ランドリーメイド赤髪の女の子。(名前は後日調べる)目測85センチ 服装のせいであろうか、どうも硬そうに見える。そこそこのボリュームはあるのに残念。50点』
それらの事が書かれており、その先にも新たなデータを書き加えているところであった。
春火は物も言わずにセラシュからノートを取り上げた。




