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シビリオスとバルテの偵察
シビリオスとバルテは、暗い森の中を身を潜めながら進んでいた。
「くそ……戦闘指令は俺なんだぞ……」
愚痴るバルテだが、今やっている偵察の役目に不満を持っているわけではない。
「シールズは厄介だぞ」
顔をニヤつかせながら言うバルテ。
今、即席で作った陣に本隊を置いている。今シールズとエリオンがそこでこれからの作戦を話し合っているはずだ。
バルテとシビリオスが持ち帰る情報も、その作戦を考えるのに使われる。
これでエリオンの手腕がシールズのふるいにかけられることになる。、春火がこの世界にやってきて、少し変わったエリオン。それの様子を見て、シールズがどのような判断を下すのかが、バルテには楽しみでならない。
目を光らせ、周りを窺うバルテとシビリオス。
洞窟は、木々に囲まれて外から見ただけではその存在は分からない場所にあった。枯れた蔦直物の上に、若い蔦植物が這い始めている。その壁のようになっている場所を掻き分けると中に洞窟があるというのがやっと分かる様子であった。
中から、盗賊の男が出てきて、周囲を巡回したかと思うと、すぐに戻っていく。出てくるタイミングも戻るタイミングもバラバラ。警備の隙をついて進入するなどという事は考えないほうがいいだろう。




