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春火とリミラは檻の中に
遠くに見える外の光が、ほのかに周囲を照らしているだけ。夜目に慣れても、なんとなく周りの様子が分かる程度だ。
後ろ手に手錠をされている春火は、どうにかして手錠を外そうとしていた。
すでに古くなっており、錆付いて鉄も腐っているため、どうにかすれば外せそうである。
リミラも、春火が手錠を外すのに手を貸していた。力任せに外そうとしているのだが、それではどうにもならない。
「ボロボロに見えるけど、中まで腐ってないよ」
リミラが言う。見た目はすぐに壊れそうなのだが、意外に頑強な手錠。
盗賊団は全員が寝静まっているが、いつ、誰が起きだして来るか分からない。しかも、ここにいる数は十程度だ。
半分以上の数が外の見回りに回っている。
シビリオスに騙されていたのが分かり、仲間も多数失い、盗賊達もピリピリしていたのだ。
明日の朝にでも、ここから抜け出すつもりだとも言っていた。
これは、春火達もうかうかしてはいられない。すぐにでも逃げ出さなければならないのだ。




