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傀儡王に
騎士達が去った後、その場に座り込むエリオンの姿があった。
「はぁ……」
腰を抜かした様子のエリオン。それを見て、ニヤついて顔をして、バルテが手を叩いていた。
「名演技だったぞ。よくがんばったな」
一国の王にふさわしい、堂々とした態度で騎士達に指示をだしたエリオンだったが、
全て、バルテの指示だった。エリオンは、バルテの考えた筋書き通りに動いただけにすぎなかったのだ。
バルテは、エリオンに肩を組んできた。
「傀儡王としては十分に合格点だ。これからもその様子でやっていけば、名君と呼ばれるようになるぞ」
エリオンはバルテの腕を払った。ふてくされて、そっぽを向いたエリオン。
「これは……バルテ様に騙されていたのですね……」
シビリオスが言うが、バルテは、ニヤついた顔のまま言い出す。
「騙してはいない。俺が考えてこいつに言わせただけだ。そして、九割方こいつの本心でもある」
悪びれもせずに言うバルテ。
「だけど、僕だって今の言葉にはおおむね同意だよ。君は勝手に死ぬ覚悟をしてくれたようだけど、僕だって君には死んで欲しくないと思っている」
シールズが付け足した。
「死ぬことも許されないとは……因果な体です……」
シビリオスは、鎧を着込んだ。他の騎士達と同じ鎧で、普段は見た目が優男の彼も凛々しい姿になる。




