シビリオスに
エリオンは王宮の牢にやってきた。
何人もの騎士達が松明を持ち、昼間よりも明るいくらいに牢の中は照らされていた。
エリオンが、その騎士を率いて先頭に立ってここにやってきている。
本来ならば、こういった事を先頭を切って行うのはセリエアであろう。だが、今のセリエアは、正直アテにならない。
エリオンが引き連れた一団は、シビリオスの牢の前に立ち、一斉になって牢の中を照らした。
そこに、突然セリエアがエリオンの前に飛び出ていった。
「あなたのせいで! リミラ様が!」
セリエアは鉄格子に襲い掛かるような勢いであった。ガチャガチャと鉄格子を鳴らしながら、シビリオスに向けて訴えた。
「いままでの事は嘘だったのですか! こんな事になってしまったんですよ! なんで私の事を……リミラ様も……」
そこまで言ったら、セリエアは体から力が抜けていくようにしてずるずるとうずくまっていった。
思いのたけをぶちまけた言葉である。セリエアの心の叫びだ。
だが、聞いているだけではまったく意味が分からない言葉。普段の知的な彼女の様子からはとても想像ができない姿だった。
これでは、みっともない『泣く女』にしか見えない。これだけセリエアはまいってしまっているのだ。
セリエアはシールズに助け起こされて、エリオンの後ろへと歩いていく。
そして、エリオンが前に出てきた。
「さっき、城の中で騒ぎが起こっていたのは聞いたかい?」
シビリオスに向けて言った。




