青空を追う小鳥。
~始まりの処~プロローグ
あの夏の日、私は恋という罪にはまってしまった
ザワザワザワザワ....
「ハルー!一緒にご飯食べに行こうよ」
4時間目の終わりチャイムが鳴り終わった瞬間、色の無い、静かな教室が綺麗な薔薇色に染まるように声が広がった。
そんな頃、タイミングを見計らったように後ろのほうから大きな声が響い
彼女は同級生の沙苗代律
彼女とは小学校から高校までずっと一緒の学校...
と、言っても私の学校は小学校から大学までエスカレート式のお嬢様学校だから転校や留学が無い限り必然的にそうなる。
小中高と共に同じ時間を長く過ごしてきた律は私の親友。
一週間のうち一緒にいない時間のほうが少ない私たちは学校内でも恋人じゃないのか、と噂になるぐらい大の仲良しさんだ。
そう、そんな私は「雪城遥華」(ゆきじろはるか)
普通の家庭に産まれたがお母さんが昔通ってたこの、聖マリア女学院に通わせてもらってる。
周りがどっかの社長の子供やら、大富豪の娘さんやとにかく格式の高い子ばかりで肩身が狭い、そんな私となんの差別なく仲良くしてくれたのが今お昼に誘ってきてくれた律なのだ。
「いいよ、あ、そうだ!今日のお昼はいつもと違うのところでたべたい?」
「違うのところ?別にいいけど...いったいどこなの?」
「ふふ、まだ内緒!ついてきて!」
このたった一言で私の高校生活、いや人生が変わってしまうなんて、まだ私も、きっと彼女も誰も知らない。