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14話 弟子志願

 翌朝。


 村は静かだった。


 オーガ騒ぎも落ち着き、村人たちは普段の生活に戻っていた。


 だが。


 一人だけ落ち着いていない人物がいた。


 カイルである。


 彼は朝からずっとルクスの家の前に立っていた。


「……」


 腕を組んで唸る。


(どうする)


(どう話しかける)


 昨日の出来事を思い出す。


 古竜。


 それを指一本で倒した子供。


 しかも。


 神。


 カイルは頭を抱えた。


「意味わからん」


 その時。


 家の扉が開いた。


 ルクスが出てくる。


「あれ?」


 カイルと目が合う。


「おはよう」


 カイルは数秒固まった。


 そして。


 いきなり頭を下げた。


「弟子にしてください!」


 ルクスは瞬きをした。


「え?」



 数分後。


 村の外の草原。


 ルクスとカイルは向かい合って座っていた。


 カイルは真剣だった。


「俺」


「強くなりたい」


 ルクスが聞く。


「もう十分強いじゃん」


「いや全然!」


 カイルは叫んだ。


「俺の魔法なんて」


「昨日全部消されたんだぞ!?」


 ルクスは笑う。


「まあね」


 カイルは拳を握った。


「でも」


「諦めたくない」


 少し静かになって言う。


「この世界に転生して」


「やっと力を手に入れた」


「だから」


「もっと強くなりたい」


 ルクスは少し考えた。


(悪い子ではない)


 むしろ。


 好奇心が強いタイプ。


 神の青年が横に現れる。


『どうする?』


 ルクスは答える。


「いいよ」


 カイルが顔を上げる。


「本当か!?」


 ルクスは笑った。


「観光だし」


「同行者いた方が楽しい」


 カイルは思わず笑った。


「観光って……」


 そして改めて頭を下げる。


「よろしくお願いします」


 こうして。


 神の弟子が誕生した。



 その頃。


 村長の家。


 村長は考えていた。


「……おかしい」


 オーガ。


 竜の気配。


 そして。


 森の魔力の揺れ。


 すべてが異常だった。


 村長は窓の外を見る。


 そこに。


 ルクスがいた。


 カイルと話している。


 村長は小さく呟いた。


「やはり」


「この子だ」


 この村に来てから。


 世界が動き始めた。


 偶然とは思えない。


 村長は確信していた。


(この子は)


(ただの子供ではない)



 その夜。


 森の奥。


 ダンジョンの最深部。


 暗闇。


 そこに。


 何かがいた。


 巨大な影。


 人の形。


 だが人ではない。


 低い声が響く。


「古竜が」


「退いたか」


 ゆっくり目が開く。


 赤黒い瞳。


「面白い」


 影は笑った。


「この世界に」


「異物がいる」


 手をかざす。


 ダンジョンの魔力が集まる。


「ならば」


「試してみよう」


 地面が割れる。


 そこから現れたのは――


 大量の魔物。


「行け」


 影が命じる。


「村を壊せ」


 魔物たちが一斉に走り出す。


 その数。


 数百。


 ゴブリン。


 オーク。


 巨大狼。


 すべてが村へ向かっていた。



 同じ頃。


 村の屋根の上。


 ルクスが夜空を見ていた。


「ん?」


 空気が変わる。


 魔力の流れ。


 遠くの森。


 ルクスが笑う。


「へえ」


 隣にカイルが現れる。


「どうした?」


 ルクスが森を指さす。


「来るよ」


「何が?」


 ルクスは楽しそうに言った。


「魔物の群れ」


 カイルの顔が青くなる。


「は?」


 その時。


 村の鐘が鳴った。


 ガン!ガン!ガン!


「魔物だ!!」


「森から大群が来るぞ!」


 村が一瞬で戦場になる。


 カイルが叫ぶ。


「おい!」


「数は!?」


 ルクスは軽く言った。


「三百くらい」


「ふざけんな!」


 ルクスは笑っていた。


「大丈夫」


「今日は」


 ルクスの目が輝く。


「ちょっと派手にやろう」


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