演者
「世界を救うとは言ったものの…どうすれば?」
2人が顔を見合わせ、悩んでいる間に見知らぬ人物が入りこむ。
「ピロリロリロリ〜ン大精霊ペアリ様だぞ♡」
頬に指を突き刺しポーズを取る背が高く、綺麗に波打った金髪を持つエルフ。大精霊ペアリであった。
「お二人とも大精霊は知っているかなぁ〜?」
口を開け固まっている2人に浮かれた様子で話しかけるペアリ。
「まぁ、私は知ってるけどお姉ちゃんは?」
「ん〜、知らない!」
堂々と言い張るクレタリアを冷たい視線を送る2人
「だ、大精霊とはラフェリエルの中で結晶状態になり、ファイを生成、管理しているエルフの最上位の人物の事を指します。まぁ、わたくしはその中の1人にすぎませんが〜」
鼻につく喋り方をするペアリ。
「おぉ!それはすごいな!ペアリ!」
「…でも、なぜ私達の元へ姿をあらわしたのですか?」
「おっ!よくぞ聞いてくれました!ラナリアさん!それは…貴方たちがそのラフェリエルの楽器を手にしたからですぅ〜あなたがたには宣言どうり、世界を救う音楽隊となっていただきますぅ〜」
「おぉ、そのところは覚悟できてる。」
クレタリアの勇ましい声と共に深く頷くラナリア。
「ん〜、それは良かった〜まぁ、わたくしはその覚悟の案内人と行ったらかっこいいでしょ〜か〜」
「案内人…?ですか…」
「えぇ、わたくしはあなたがたの100年以上前から受け継がれた、月影サロンへとご案内させていただきますぅ〜」
月影サロンとは、100年以上前の音楽隊から大精霊へと受け継がれてきた練習場所である。そこには、世界中のあらゆる打楽器、マレット、リード、リガチャーなど様々な物が揃っている。
クレタリア達に説明を済ませたペアリは魔法を使い、月影サロンへと転移させる。
「おぉ!すっげぇぇ!ここが、、月影サロン!」
「えぇ、こちらで前の音楽隊様も練習なさっていました。ちなみに、そちらに打楽器、あちらにリード、リガチャーがございますのでご自由にお使いください。今すぐにでも練習をはじめて頂きたいのですが…」
「ですが?」
「受け継がれてきた伝承には、管打5重奏で活動してきた。と記されています。5人のエネルギーが合わさることで、復興に有効なエネルギーが生成されるそうですよぉ〜」
「5人...?私とクレタリア、ペアリ...あと2人?」
「いえ、わたくしは演奏致しません、そろそろ残り3人が...」
月影サロン内で魔法が使われ、空気が揺らぐ。
「あら〜ペアリじゃない!残りの3人、連れてきたわよ〜!」
ペアリよりも背の高い金髪でポニーテールをした大精霊ラピールが現れた。
「ラピール!お久しぶり〜!ありがとうね!」
「いえいえ〜」
そう言ってラピールは月影サロンを出ていった。
「それでは、みなさん自己紹介していただきましょぉ〜」
「じゃ、私から!私はクレタリア!好きな飲み物はラナリアの作ったドロッドロの液体!よろしくな!」
「ちょっとお姉ちゃんそれ言わないで、まぁ、次に私が、ラナリア、クレタリアの妹とです。よろしくお願いします。」
「それじゃ〜うち!うちいくね〜!フィンエ!人間だよ!よろしくね!」
歯を出してニカっと笑っているのは、綺麗な黒髪をポニーテールにしている13歳の少女であった。
「そろそろ、わらわの出番じゃな!名前はライル、厚揚げ豆腐が好きじゃ、よろしくなぁ〜」
八重歯を出し、細目で笑っているのは、ロングの黒髪をなびかせた16歳の少女。
「ふぁ〜ん?私ぃ?私はプリシラ〜好きな事はねることぉ〜よろしくね〜」
眠そうに笑っているのは寝癖のついた金髪にアイマスをしている15歳の少女であった。
5人の演者がそろい、ここからこの世代の音楽隊はどのように世界を救い、歴史に名を刻むのだろうか。