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お肉が大事なので正当ルートは選びません

作者: 高瀬あずみ

ふわっと中世~近世っぽい世界です。

誤字報告に感謝。



「よくも私のお肉―――もというちの牧場の羊を狙ってくれたね? 万死に値する。死ね」

 私の手に魔法によって黒光りする長い猟銃が現れる。装填されるのは光の銃弾。これを受けて生きていられる魔獣はいない。結界に足を取られ、逃げることもできない魔獣は哀れ私の銃弾の餌食となる。

「魔獣のお肉、ちょっと固いけど煮込みには向いてるんだよねー。今晩のメニューは決まり!」

 天国のお母さん。ソランジュはこんなに逞しく育ちました。最早、この森に私の敵はいません。






「お母さん、お母さん、目をあけてよ。いやだよ、ひとりにしないで」

 母が死んだ。母ひとり子ひとりで、ひっそり寄り添って王都の片隅で暮らしていたのに。住んでいたのはスラムもほど近い貧しい地域。お針子をしていた母の稼ぎもさして多くはなく。まだ幼い私では手伝い以上のことができなかった。


 目が溶けるんじゃないかと思うくらい泣いた。泣いて泣いて泣き疲れて眠りに落ちて、そうして私は前世を思い出した。


 平凡な日本の女性。普通の家庭で育ち、普通に進学して普通に就職して。趣味はラノベと漫画を読むこと。独身のまま三十歳にならぬ前に死んでしまった、そんな記憶。

 今の私はソランジュ、十歳。ピンクの髪に紫の瞳。


「あ、もしかして私、『光はあなたとともに。~虐げられた令嬢は銀の騎士に溺愛される~』のヒロインじゃない!?」


 それは小説投稿サイトに連載されていた小説で、つい最近コミカライズもされた王道ドアマットヒロインものだ。

 主人公のソランジュは共に暮らしていた母を失い、実父である男爵に引き取られる。しかし男爵の妻、義母となったサビーナに憎まれ、虐げられることになる。結局、タイトル通りのヒーローが現れて溺愛エンドになるのだが。

「いや、このままだと拙い。男爵父が迎えに来てしまう。義母にドアマットされるのも嫌だけど、たしか、食事は一日一回、それも超粗食をちょっぴり、だったよね? 死なないぎりぎりのライン。冗談じゃないわ」


 貧しくとも母が節約と工夫をして、質はともかく量はそれなりの食事を与えられてきた。だからソランジュは現在、ごく標準的な子供の体型だ。

「ソランジュ、十歳。育ち盛り。ご飯はしっかり食べたい。できれば動物性タンパク質もたっぷり。つまり、お肉。男爵家は鬼門」

 コミカライズでのソランジュは美少女だったけれど華奢だった。あれは多少の誇張もあっただろう。実際はガリガリだったはず。骸骨スタイルでヒロインは張れぬ故の絵師さんの妥協と苦悩の産物。

「このまま王都に残っていたらドアマット一直線。その前になんとかできないかなあ?」



 そもそもこの実父、クズである。婚約者がいるのに、タウンハウスでメイドをしていた母に手を出した。それを両親に知られて手切れ金渡されて追い出された母のことも忘れ、普通に婚約者と結婚。かつての恋人が亡くなったこと、残された子供が男爵家の色を持っていたことを知って引き取るのだが、その後はほぼ放置。ソランジュが妻であるサビーナに虐待されていても知らん顔であった。


「読者だった時はサビーナ酷いって思ってたけど、婚約時代に浮気されて子供までいて、しかも自分に相談もなしに引き取られたら、妻として面白くないのは当たり前だよね」

 同情すべき点がサビーナにはある。だからって子供に罪はないのだ。虐待とかダメでしょう。男爵夫妻、両者アウト。そんなところに引き取られたくない。

「原作に何か抜け道……あ、たしか叔父が」

 男爵父が現れる前。母の弟が訪ねて来るのだったか。

「姉さん! 姉さんはっ!」

 突然、ドアを開けて入ってきたまだ若い男(前世感覚)の完璧なタイミングに私は内心で喝采をあげた。



「ほんっと、姉さんってば馬鹿なんだから。田舎暮らしが嫌で、領主さまのところに勤めるって王都に出てそれっきり。自分が死ぬかもってなってから娘をよろしくって連絡寄越すとか、遅すぎるんだよ!」

 母の死体に泣きながらすがりついて。それでも文句は言う彼はジャックと名乗った。

「ソランジュだね? はじめまして。君の叔父さんだよ」

 涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔で、それでもまだ幼い初対面の姪に気を遣えるとか。

(叔父さん、超いい人じゃないのよーっ)


 原作のソランジュは、せっかく迎えに来てくれた叔父の手を取らなかった。母との思い出の多い王都から離れたくないからと。こちらの孤児院に入ると言って。

(いや、馬鹿だろソランジュ。親戚の元で田舎で暮らす方が、都会の身寄りのない孤児よりマシに決まってるじゃない)

 まあ、原作のソランジュは本物の子供で現実が見えていたわけではない。物語の都合上、王都にいる必要があっての強引な展開だろう。


「叔父さんとこ……牧場、なの?」

「うん、そうだよ。山間の牧草地に牛や豚や羊、あと鶏を飼ってるんだ」

「お肉、食べられる?」

「売り物はダメだけど、時々なら鶏は潰すし、周りの森で狩った動物を食べたりもするから、王都にいるよりも肉は食べられるんじゃないかな?」

「行く。叔父さんとこ、連れてって。一生懸命お手伝いもするから」

 ぎりぎりの粗食で使い潰されるより、正当に働いて、私はお肉を食べるのだ! 母との思い出は、この胸にあるから、王都を離れることこそ今の私にはきっと正しい。貴族の血も、今すぐに助けてくれないヒーローもいらない。私は物語のヒロインじゃなく、地に足着けて普通の一生を生きるんだ。





 こうして、私、ソランジュは十歳にして王都を離れ、クズ父と顔を合わすこともなく田舎へと去ったのだった。

 まあ実際のところ、目的地はクズ父の実家の領地ではある。ただ田舎を嫌った奴は、領地へはほとんど戻らなかったはず。男爵家特有らしいこの目立つピンクの髪さえなんとか隠せれば、田舎娘としてひっそり過ごせるはず。


 牧場ではまだ現役の祖父母に、叔父の妻、そして幼い従弟が心から歓迎してくれた。

(母さん、何もったいないことを。いい家族じゃない。それにここだと食べる物には事欠かないし。いや、そういえば時々、派手なものとか嬉しそうに買ってたことあったな)

 ある意味、実母にもクズ父と共通する素地はあったということか。華やかな王都で生きていきたいという。その分、私を産んで育ててと苦労もしている。愛してくれたことも間違いじゃなかった。完璧な人間なんていないのだから、母は母としてこれからも愛し慕う存在には違いない。それでも、私はこれからここで生きていくんだから。


「わたし、本当は母さんや叔父さんとおんなじ、茶色い髪が良かったの。ピンクって目立つから」

 そう言って、三角巾の下にきっちりとピンクの髪をしまい込む。機会さえあれば、誤魔化す方法も見つかるはずだ。


 牧場での動物の世話。羊を追って牧場を走る。傍らで作られる畑の手伝い。家の用事。やることは山のようにあった。そうやって思いっきり働いて、貧しくともたっぷりな食事があって飢える心配もない。

「私、ここに来て本当に良かった」

 それが口癖になるくらい、私は牧場での暮らしにすぐ馴染んだ。


 祖父からは森での狩りについても学んだ。牧場は森を切り開いて作られているから、周囲はすぐ森だ。

 森の歩き方、罠の作り方。獲物の捌き方。森には普通の獣と魔獣が住んでおり、奴らは度々牧場を襲ってくる。その撃退法も教わる。もちろん、逃げ方も。



 前世の記憶を、物語の記憶を取り戻してから、ずっと試していることがあった。物語のタイトルにヒントはあって。『光はあなたとともに。~虐げられた令嬢は銀の騎士に溺愛される~』の前半部分。これ実はドアマット虐待されるうちに、ソランジュが男爵家にごく稀に現れる光魔法の使い手として目覚める物語でもあるのだ。つまり、現在の私にも光魔法の素質があるということ。だから己の内なる魔法を目覚めさせるべく試行錯誤を繰り返したのだ。数多のラノベで出てきた方法を試して。

 諦めずに努力していたら、一年かからずに光魔法を発動できるようになった。そこからは前世の私との二人三脚。ラノベあるある魔法の向上と応用だ。野生の獣にとっても、魔獣にとっても、光魔法は弱点となるポテンシャルがあった。だから攻撃のために研ぎ澄ませ、銃のように使う方法を編み出したのだ。そんなもの使っている人が私以外にいるかは知らない。火薬も見たことも聞いたこともなかったし。硝酸? なにそれおいしい?

 これによって牧場の家畜も、もちろん住む人間の安全も向上し、更には定期的にお肉が入手できる手段も確保できた。ついでに言うと、光の性質を利用して髪の色を茶色に見せる方法も編み出した私、えらい。


 光魔法のことは家族以外には秘密にしている。幼い従弟にも、「知られたら、どっかに連れていかれちゃう」と言っておいたので、姉のように私を慕ってくれる彼すら黙っていてくれる。まあ? 光魔法って実は精神にも作用できるんで、他人に話せないよう細工もしているけれど。


 物語のヒロインだったソランジュは、その光魔法のおかげでヒーローに見つけてもらえ、そして貴重な使い手であると知られて王家にまで認められて幸せになる、というのが後半の流れだった。

(それって、王家にいいように使われてるんじゃ?)

 とか今の私は光魔法の可能性を知って、そう思うんだけど。光そのものには実体も無ければ触れられもしない。でも人は、光を正しいもの、聖なるものという共通概念を育てた。前世の記憶を取り戻す前のソランジュもそう教えられて育っている。私が磨いたように半物質化させて攻撃特化にした例はおそらくない。その性質上、精神に作用する。ただし、プラスの方向にしか使えない。洗脳とか魅了とかは管轄違いだ。ただ強制力はあるので、王家にしたら是非とも手駒にしたいだろう。

 原作ソランジュが幸せになったというのなら、彼女は彼女でいい。ここにいる私は既に彼女とは違うソランジュだから、自分と家族とお肉―――家畜を護るために躊躇わずに戦っていく予定。

 ソランジュ、十五歳。すくすく成長中。家族は無敵の森の狩人と呼ぶ。何故……。








「魔獣の王?」

「ああ。数百年に一度くらい、そういう存在が現れるそうだ」

 最近、森の魔獣が妙な動きをしている。怯えているような、同時に浮足立っているような。そしてうちの牧場への襲撃が増えていた。私という天敵がいることを学習もせずに。


 祖父が、代々伝えられてきたという話を叔父と私にしてくれた。ソランジュは立派な戦力だからね!

「そいつ、倒せるの? あと、美味しい?」

「ソランジュにかかると魔獣の王も食材扱いになるのか」

 私の発言に祖父も叔父も笑う。でも、美味しいかどうかは大切なこと。普通の肉食獣はあんまり美味しくないけど、魔獣は調理次第でご馳走にもなる。普通の肉食獣? ジャーキーにしてやんよ。

「これまでは奴が忌避する植物を植えたりして追い払っていたようだ。倒したという話は聞かんな。なんでも、魔法まで使ってくるらしい」


 普通の獣と魔獣の差は、体内に魔石があって、動きが素早いこと。あと、少しばかり知能も高い。ただ魔法は使えない。だからこそ、光魔法の使える私は狩り放題だったわけだけれど。

「でもそいつ、放置もできないよね? おじいちゃん、忌避する植物って何? 教えて」

「柑橘系の匂いがする茨の一種だな。うちの畑の隅に少しだけ植わっているやつだ」

「でも父さん、それだけじゃ足りないだろう?」

「そうだ。森のどこかに自生しているらしいが、わしでも見たことがない」

「うーん、光魔法で成長促進できるか試してみる。あと、森の中、私も探してみるよ」

「無茶はするなよ? 自分たちを守り切ることが優先だからな」


 物語の中には、そんな物騒な存在は出てこなかった。物語の舞台が王都だからというのもあるだろう。でも男爵家の領地の森に出るんだから、将来的にはヒーローの銀の騎士さまに討伐される存在なのかもしれない。原作でなら、ヒロインのソランジュはもうヒーローと交流している頃だ。でも正直、光魔法を使いこなす現在の私は、銀の騎士さまより確実に強いと断言できる。戦力もアテにできないヒーローを待つ選択なぞない。


 光魔法には植物の成長を促す効果もある。通常ならば微々たるものだが、結界で包むことで魔法の濃度を上げれば、ほうら、わさわさに。私は牧場の外周にせっせと増やした茨を植えていく。同時に、その茨から精油を抽出。森に入る時には必ず持ち歩くようにした。

「多分、この匂いが嫌なんだろうな。おじいちゃんの話だと狼系の魔獣らしかったし、鼻がきっといいはず。精油にしたことで匂いも高まってるし、直接鼻に噴射とかできたら効果ありそう」


 牧場のある村近辺では香水を使う人などいないが、王都では庶民でさえもハーブ由来の香水は使っていた。都市内の悪臭被害がそれなりにあったためだ。あれよ、中世あるあるな汚水汚物放置に無入浴よ。なので、簡易の噴霧器のような香水瓶を行商人に頼んで入手もできていた。一応、家族分を確保してそれぞれに持たせている。お金? 魔獣をさくっと倒して魔石を売ればそれなりに。いつもは料理に使うスパイスを取り寄せるのにしか使ってないけどね。お肉は美味しく食べたいから。


 私は光の銃弾の中にこれを詰めたものを作った。香水瓶でぷしゃーとか、そんな悠長なこと、戦いの最中にやってられないしね。攻撃は最大の防御! ……ちょっと最近、脳筋思考に偏りがちかもしれない。見た目は「まさにヒロイン!」という美少女に成長したのだが。人は環境に左右され作られていく存在なのだ。






 そいつが現れたのは、私がお肉……じゃない、獣がいないか森をパトロールしている時だった。まだ昼間。日が暮れるまで時間もある。それなのに、周囲に急に霧のようなものが立ち込めて、私の視界を奪った。


「甘いわ」

 光魔法だからね。霧を撥ね除けて照らすくらいはお手の物だよ。視界を確保した私が見たのは、黒とも白とも揺らぐ靄が動物の形をしたものだった。

「もしかして、実体がない?」

 あいにくと、光魔法はそういったゴースト系とかにも強いんで。周囲を照らした光の中に神聖力を込めていく。

 厳密には光魔法と神聖魔法は違うんだけど、こういうのって使う人間のイメージに影響を受けるらしくて。そして光魔法っていうと、邪を払う聖なるイメージがある。聖女の力みたいに。だいたい、物語の中で聖女が使う魔法だって、光なんだか聖なんだか混じったイメージだし。当然、使い手の私の頭の中でもイコールで結ばれているから、周囲はちょっとした聖域のような空気に包まれた。


『ぐぎゃあっ!』

 そんな声が響いたので、精油入りの光の銃弾を声の方向へとぶっ放してやる。手ごたえはあった。でも下手なことは口にしないよ! フラグ、怖いもん。

 銃を構えたまま、ゆっくりと警戒しながら近づくと、そこには灰色の仔狼が蹲っていた。

「くっ、卑怯な!」

 獣や魔獣であっても、子供を攻撃するのは躊躇うのだ。襲ってくるならば迷わず返り討ちだけれど。でもこいつは。おそらくだけど祖父の語ってくれた魔獣の王だと思う。ならば、完全に仕留めるべきだ。私は新たな銃弾を込めて、もう一度引き金を……。

『きゅうん?』

 つぶらな瞳が見上げてきて、私はそれ以上の攻撃ができなくなってしまった。詰めが甘いという批判を受け止めるしかない。だが、言わせてもらうならば、その仔狼からは、先程までの邪気のようなものは感じられなかった。ただやはり普通の獣ではない。魔獣ともどこか違う。

「おまえ、何者?」

 そう聞いた私の前で、仔狼はお腹を晒して服従のポーズを取ったのだ。正直に言おう。滅茶苦茶可愛かった。




 仔狼は、そうして私について来た。追い払おうとしてもついて来る。邪険にしても遊んでもらっていると思うのか、足元にじゃれついて来る。そして尻尾はご機嫌にぶんぶんと振られていて。間違いなく懐かれた状態だ。

「どうすんのよ」

 無敵の狩人だって困惑くらいはするのである。


「このまま、私について来るつもり?」

『きゃん!』

「悪さとかしない?」

『きゃん!』

「人間や牧場で飼ってる家畜を襲ったりしない?」

『きゃん!』

 会話が成立している。知能は普通の魔獣よりも高いと見た。

「本当に襲えないように制約させちゃうよ?」

『きゃん!』

「じゃ、遠慮なく」

 私は光魔法の精神に働きかける制約で仔狼を縛った。光には正しいという意味もあるので、そこから外れないよう制約させられるのだ。少なくとも、私が生きている限りは有効。仔狼の寿命がどれほどか分からないのが不安材料ではあるが、そこまで責任が取れないとも言う。親族が襲われては困るので、それまでに方法を考えるとして。

「まずは、家族になんて言おう」

 魔獣の王ですが従えちゃいました。人間も家畜も襲いません。安全です。

 そう言われて、はいそうですかと受け入れられるものではないだろう。



 結果として、私の悩みは杞憂に終わった。

「ソランジュがそう言うなら大丈夫」

 ちょっと待って。私への信頼が厚すぎませんか!?

「ソランジュは特別だからなあ」

「さすが姉ちゃん!」

「ソランジュは我が家の守護者だもんねえ」

「かっこいいわ」

 以上、祖父・叔父・従弟・祖母・叔母(叔父の妻)の発言。

 すみません、私、何を目指せばいいですか。


 あまりに簡単に受け入れられ、途方に暮れる私に、無邪気に仔狼がじゃれついて来る。うん、可愛い。

「とりあえず、おまえの名前を決めないとね」

 家族会議になった。私は信頼されているが、私のネーミングセンスは信用されていなかったからだ。牛にステーキ、豚に角煮、羊にジンギスカン、鶏に唐揚げとつけようとしただけなのに!


 仔狼はアシルと名付けられ、元気に育った。私の行くところにどこへでもついて来た。起きてから寝るまでべったりである。

 実はベッドでも一緒に寝ている。冬、あまりにも寒くて、潜り込んできたのを追い払えず、それ以来当たり前になってしまった。天然の毛皮が暖かすぎたのがいけない。もふもふの誘惑には勝てなかったよ……。

 ちなみにお風呂も一緒なのでがっつり洗ってるし、クリーンだってかけているので蚤・ダニ等の心配もなく、ブラッシングの成果もあり、アシルの毛皮は常に最高の状態である。狼の毛って硬いんだけど、アシルはまだ子供のせいか、それとも特別だからか、ふわふわのもふもふである。

 与えられた食事か、森で自分で狩った獲物を食べているので、制約も守られて家族も家畜も無事だ。アシルが来てから、牧場に獣や魔獣の襲撃も減った。なんか野生の本能で感じ取っているのかもしれない。


 一年が過ぎると、アシルは立派な成獣サイズになった。ずっと仔狼サイズでも良かったのにと思っていたことは内緒である。


 屠殺もありなので牧場は村から少し離れているが、行き来もそれなりにある。肉や牛乳、卵などを売りに行くし、塩や小麦、野菜や日用品をこちらも購入するからだ。

 村の人たちからは、アシルは猟犬だと思われているようだ。まあ猟犬って狼を祖に持つことも多いし、そう思われるように持っては行った。立派な首輪も着けている(叔父作)のだ。リードは着けない放し飼いであるが、森への狩り以外で私から離れようとしないし、田舎で犬を飼っている場合も、どこも放し飼いなので問題はない。



 問題は別のところにあった。

 ソランジュは十六歳。お年頃である。そして美少女。村に住む相手のいない青年たちからの求婚も、それなりにあった。

 ただ家族は私の実父が誰だか知っているので、嫁がせることを躊躇っていた。男爵家に知られてしまったらどうなるか分からないからだ。

 私はというと、前世の記憶があるので十六で結婚とか早すぎると思うし、下手な相手に嫁いだら食事が貧しくなりそうなので、このまま牧場にいたいと訴えている。


「ソランジュは夫より肉か~」

 祖父が嬉しそうだ。娘が早くに家を出て勝手に死んでしまったせいか、孫娘である私を殊の外可愛がってくれている。

「嫁になんていかなくてもいいからな」

 息子しか生まれなかったせいか、叔父も私が可愛いらしい。祖母と叔母は私に可愛い恰好をさせるのが好きだ。平民の衣装なぞ、染色したものはあまり出回らないが、三角巾やベストやブラウス、スカートに刺繍してくれたりする。ちなみに私、刺繍はあまり得意ではない。できないとは言ってない。母の仕事も見てきたし。ただどうも少し雑らしい。

「僕のお嫁さんになったらいいんだ!」

 五歳年下の従弟の発言は置いておくとしても、いざとなったら狩人として一人で生きていけるだけの力もあるので、家族全員、ソランジュの結婚問題には呑気だった。


 だがそうとは知らぬ外野―――村の若者たちは勝手にエスカレートしていた。自分こそがソランジュを嫁にするんだと、喧嘩沙汰にまでなっていたらしい。そしてその勝者が、ソランジュに夜這いをかけたのである。

 結果は言うまでもなく。光の結界に阻まれ、さらに不審な侵入者としてアシルに追い回された。制約がなければ喉を食いちぎられていたはずだ。

 私自身も怒ったし、家族も怒った。

 そして村の人間とは婚姻しないと宣言したのである。



 宣言の結果、これまで遠巻きにされていた村の娘たちと仲良くなった。王都から引き取られてきた可愛い女の子は、村娘たちからすれば自分の相手を取っていく仮想敵の扱いだったのだ。私自身はより多くのお肉を食べることにばかり腐心していたので、女友だちがいないことなど、これまで気にもしていなかったのだが、実際になってしまえば女友だちも良いものである。


「でもそしたら、ソランジュは結婚しないの?」

「このままだと相手いないでしょう? 行き遅れちゃう」

「まさかジャン(従弟の名前)が大きくなるまで待つとか!?」

 お泊り女子会withアシル開催の時に、村娘たちに質問責めに遭う。

「ジャンはないよ、弟だもん。あと、行き遅れても気にしない。一人でも……はいはい、アシルも一緒ね、生きていけるし」

 ただあまりにも情報を出さな過ぎても彼女たちの不審を買ってしまいかねないので、少しばかり話を漏らす。

「ほら私、父親が誰だか分かってないじゃない。でも母さんが生きてるときに言ってたこととか思い出すと、結構、ヤバそうな相手だったみたいなの。今の家族は血縁だからある程度は仕方ないけど、何も知らずに結婚したら相手が巻き込まれる可能性もあるしね」


 たちまち彼女たちは騒然となる。村の生活では無縁なゴシップ系の話題だ。食いつかないはずがない。

「え、都会こわい」

「ソランジュのお母さんもきれいな人だったって聞いてるけど」

「うん、王都でやっかいな相手に見初められたみたいでさ」

「もしかして、その相手から逃げてきた?」

「それもあったんだけど、子供一人で王都で生きていくとか無理だから。孤児院とかもあるけど相当ひどい場所らしいし、一定の年齢になったら追い出されて結局娼館しかいく場所がないとかザラらしいよ」

「都会こわい」

「絶対むり」

「じゃあソランジュ、こっちに来られて良かったんだ」

「そうだよー。何と言ってもお肉もお野菜も、こっちに来てからの方が食べられてるもん」

「ソランジュ、あんたなんでそんなに残念な子なのよ!? せっかくそんなに可愛いのに!」

「子供なんでしょ。色気より食い気」

「そのおかげで、あたしたちの縁談も恙なく決まったんだし感謝しないと」

「うん、ありがとねー、全員振ってくれて」



 楽しかった女子会を終えて、アシルと二人で家路を辿る。

『あの娘たちには嫁入りが大事らしいが、ソランジュはいいのか?』

「正直、まだ早いからそういう気になれないのよねー。あと、特に村の子で好みのタイプとかもいなかったし」

 実はアシルが来て一年が過ぎた頃から、二人で会話ができるようになった。アシルは元から人の言葉を理解していたようだが、こうやって話しかけてくるのは私にだけだ。話すと言っても念話のように伝わってくるのだが。


『ソランジュの好みというのは?』

「え、生活力があって、お肉を沢山狩れて、あと私も女の子だし、守ってくれる人だったりすると嬉しいかな」

 自分で言っていて照れる。前世も含めて恋愛経験がないのだ。憧れくらい許して欲しい。そうだよ、前世では喪女だったよ!

「あとは、そうだな。顔はともかく声のいい人がいいな。いい声で口説かれたら、ころっといきそう」

 経験値ないからね! そういう羽目になったらチョロインになりそう。あ、声のいい人は、前世での声優さんたちが理想だ。顔は暗かったら分からないけど、声はよりダイレクトに届くから。

『了解した。あと二年、待つが良い』

「へっ、二年経ったらどうなるの?」

『時が満ちるというやつだ。まあ、大人しく待って居れば良い』





 二年は、あっという間に過ぎた。

 男爵家からの干渉はまったくない。髪色を誤魔化しているのも大きいだろうし、自分から男爵家の子供ですとか押しかけたりもしなかったから、見過ごされていただけかもしれない。世俗の権力は平民でしかない私には怖いものだ。でもいざとなったら森に逃げ込んででも生活できる自信もあるので何とかなるだろう。


 牧場を手伝って、森に狩りにも行って。働いて、食べて、寝て。健全な生活は健全な身体と心を作る。私は満たされていたと言ってもいいだろう。

 同じ年ごろの村の娘たちは次々と嫁いで、未婚の娘など、年下の子たちばかりになった。それでも十八だから、ソランジュはぴちぴちである。最近は美少女というか美女に片足突っ込んでいる感じだ。恋愛に興味はあっても相手がいない。残念ながら娯楽の類は遅れているので、恋愛小説を読んだりもできない。それでも前世で触れた物語の反芻とかできる分、私は恵まれているのだと思う。文明の壁に打ちひしがれることも多いけれど。




 そんなある日、アシルに連れられて森に入った。私に見せたいものがあるらしい。

 森を少し歩くと、一瞬霧に包まれた。初めてアシルと会って戦った時のように。

「アシル?」

『結界だ。我とソランジュしか入れぬよう設定してある。危険はない』


 霧の向こうには、一軒の家があった。牧場の家と広さは変わらないようだが、瀟洒な雰囲気のある建物で、家というよりお屋敷のようだ。森に溶け込むような緑の屋根。破風の下の玄関。こちらに来てほとんど見たこともないガラスの入った窓。

『近隣の貴族の住む家や別邸をいくつか参考にした。ソランジュはそう広さを求めておらんようなので、さして広くはないがな』

 建物は二階建て、屋根裏と地下室あり。促されて入ってみると家具もしっかり用意されており、すぐに住めそうである。一階には居間、ダイニングにキッチン。バスルーム。それぞれ広い。二階には個室がいくつか。立派なベッドルームもある。地下や屋根裏は収納倉庫のようだ。

 村の家々よりは豪華で、だが華美すぎない。そして清潔感があって住みやすそう。そんな印象を受けた。前世の記憶を取り戻した後で見た中では格段に魅力的な家である。


『どうだ、気に入ったか?』

 あちこち家の中を見学した後で居間に戻ってきた。ソファーもふかふかだ。このまま眠れそう。

 どことなく得意そうな顔をしたアシルが少しおかしい。だが、十分素敵な建物だから当然だろう。

「うん、すごい素敵な家だね! どうやって建てたの?」

『物を作りだす魔法があるのだ。一緒にいる間にソランジュの好みを研究して建てた』

「私の好み?」

『そうだ。これは我とソランジュの新居だからな』

「へっ、新居って」

『ソランジュは今日より我の嫁になるのだから。ああ、安心しろ。ちゃんと口説いてやる』


 一瞬で、それまでの灰色の狼の姿は消えて、ひとりの二十歳前後に見える青年が立っていた。その髪は艶のある灰色。瞳は金。肌は少し浅黒く、細身に見えるが筋肉もありそうな長身。顔は恐ろしく整っていた。すっきりと通った鼻筋に左右対称の目元が美しい。

「眠っている時に反応を見てこの声に決めたのだが、好みに合ったかな」

 美形が急に耳元で囁いてきたものだから、すっかり硬直してしまう。しかもその声が。

「すごく……いい声、です」

 何故か敬語になってしまったが、それくらい好みにぴったりな声だった。甘さを含んだ少し低い声。耳から背骨を通って腰に直撃するような。


「中途半端に生まれた我を確固とした存在にしてくれた、あの初めて会った日から。ずっとそなただけを愛している。一生、そなたから離れず、一生、そなたを守る。森の生き物はすべて我の配下。そなたが望むだけ美味なる肉を捧げよう。

 そなたが密かに恐れていた人間の権力も森の王たる我には届かぬ。そなたの家族も最早我の守るもののひとつ。既に我が庇護のうちだ。

 我は他の雌を近づけず、そなたにも他の雄を近づけぬ。我のすべてはそなたのもので、そなたのすべては我のもの。二年、正確には三年待たせたが、我は森の王として成った。時は満ち、力も満ちた。さあ、その身を委ねよ。我をそなたの夫として迎えいれよ」


 囁いていた唇が耳たぶを食む。息と共に舌が耳を蹂躙して、咄嗟に食べられる、と思った。抵抗しようとすれど身体に力が入らず、ようやく出せた声は、自分のものとも思えないほど甘えたものだった。

「みみ、食べちゃやだ……」

「ふむ。では耳以外ならば良いのか?」

 嬉し気にアシルに顔を固定され、最早力の入らない私の腰を巻き込むように回された腕に閉じ込められ、ソファーに埋もれる。愛している、可愛い、愛おしい、食べたい……等の言葉と共に顔中に唇が触れていく。


「だって、こんな、急に……」

 アシルはアシルという存在であって、これまで恋愛対象ではなかった。当然だ。大切なもふもふ要員である。ただ普通のペットでもなくて。うん、相棒というのが近いかも。その相棒から性的に求められていることに困惑しているのであって、相手が人間じゃないことは、あまり気にならなかった。原作のヒーローも、実際に会ってみたら今の私にはきっと合わない相手だ。じゃあ、私に合う相手は? となるとまったく想像もできなくて、一生おひとり様でも仕方ないと諦めていたところもある。でもそれだとちょっと寂しいと思っていたことも本当で、そこに猛攻されたことに戸惑いが大きいだけで、人でないことはさして問題なかった。ない自分もどうかと思わないでもないけれど。


 身体も思考もとっくに蕩けて、油断すると自ら食べられたくなる。唇だけ避けるように顔にキスの雨を降らせるアシルがちょっと憎い。絶対、分かっててやってる。私が、決定的な言葉を自分から口に出すように。

 空しくも抵抗を試みる私を眺めるアシルは本当に美形で、本当に楽しそうで。そしてどこか狼の面影がある。だから彼がアシルであることを疑ってはいないし、ただずっとアシルに狙われて(囲われて?)いたのだと思うといささか寒気もするのだが、甘い声がそんなものを吹き飛ばしてしまう。

 ずるい。ずるすぎる。


 ずるいアシルは更に私を追い込んでいくことにしたようだ。

「そなたは我以外には嫁げぬ身であるぞ」

「それって、どういう意味……」

 指が軽くくすぐるように顔や首を掠める。切れ切れに喘ぎのようにしか出ない自分の声は、我が事ながら誘っているとしか聞こえない。

「三年、臥所を共にし、匂いと印をつけた。三年、湯あみの度にそなたの全身をくまなく眺めた。手足も顔も舐めた。寒い時など、そなたの寝衣の中に潜り込んで素肌に触れても歓迎されたな。舐めまくったら叱られたが」


 一瞬で引く血の気。身に覚えは山とある。いや、もふもふ相手だったから! 

「ずっと狼だったじゃない!」

「人の姿になれるほど、最初は力が足りなかった。力が満ちても、狼の姿のままの方がそなたに警戒されぬと思ってそのまま過ごしたのだ。いつでもいくらでも手を出せたものを今日まで我慢してきたのだ。我は十分、忍耐強いであろう? さあ褒美をくれぬか。我を夫として受け入れよ。我の嫁としてすべてを捧げよ」


 何しろ、声がいい。そして相手は私を知り尽くしていた。的確に急所を攻めるように逃げ道を塞いで。甘い声で愛を囁いて。雄の色香で求められて。触れて欲しいのに触れられない唇が悲しくて。もしかして自分も獣だったんじゃないかとか埒もないことを頭の片隅に浮かべて、すすり泣きながら接吻を乞う頃には、当に理性はすり切れていた。

 思惑通りに手の中に転がり込んできた獲物をアシルは素早く、けれどこの上もなく丁寧に寝室へと運びこみ、私は夫を持つことになってしまった。

 ソランジュ、十八歳。今日から人(?)妻です。





 身も心も絆され食いつくされながら、その合間に聞いたことによると、アシルのような存在は、森にある聖域から漏れた聖気と、森に溢れる瘴気とが混ざってこの世に生まれて来るらしい。それはほぼ五百年に一度あるかないかの奇跡。生まれて間もなく私と遭遇し、光魔法を喰らうことで内なる瘴気が消滅。アシルは聖獣になったそうだ。その時に受肉もし、この世に生きる存在となった。私が女だったから、雄になったとか。


「我はそなたのための雄よ。いわば番というもの。一瞬たりとも放すものか。聖獣の嫁となったそなたは人の軛からも離れるが、共にその親族を見守るとしよう」

 ゆさゆさと、私の立派に育った胸部装甲に埋もれるアシルの声がくぐもって響く。

 どうです、自慢の部位は。


 前世での私は。他の人種に比べれば控えめな大和民族にあってさえ、その平均よりも乏しい胸部装甲しか持たなかった。それは深いコンプレックスとなって私に根付いており、けれど気付いた時にはもう手遅れで。

 比較的慎ましやかな胸部装甲しか持たない日本女性は、物語などの主人公にもそれを求めた。ドアマットヒロインたちも、成長期に十分な栄養が摂れないのがほとんどだから、助けられてもそう成長が期待できない。物語通りに生きれば、ソランジュも貧乳一直線。でも二度目の私にはそれは許せなかった。今度こそ、豊かな胸部装甲を我が手に。男のためじゃない、自分の満足のために。

 だからこそ、十分な食事、中でも十分なお肉の摂取に拘った。こき使われて成長に必要な睡眠を阻害されることも許せない。規則正しい生活。カフェインの過剰摂取や睡眠不足という敵もいない田舎暮らし。十分な運動と十分な動物性たんぱく質。私の野望は成った。魅惑の胸部装甲を確保したのだ。奇形なほど巨大でもなく、けれど決して慎ましくない豊かさ。転生万歳。

 もっとも、この野望の顛末は夫となったアシルにも内緒だ。何しろ私の自己満足のためなのだから。





 蜜月とはまさに言いえて妙、な日々をたっぷりと送ってから、私とアシルは家族への報告のために牧場に一旦帰った。だが実際は霧の結界の中で時間は過ぎておらずに、大いに私を安堵させた。熱烈に口説かれて溶けまくって家族への報告も忘れてたとか、色々最低だと自覚はあったので。


 家族は私たちの報告に今回もあっさりと納得してくれた。アシルが普通でないのは最初から分かっていたことだし、普通の人間に嫁ぐことの方が危険だったからと。従弟だけは少し泣いた。ごめんね姉ちゃん、嫁に行ってしまって。でもほぼお隣だからね?



 そうして家族と折々に交流しながら、世代の交代を見守り、数百年の間、故郷を見守った。森には人の手が及ぶことなく守られたまま、やがて授かった子供たちをゆったりと育てながらアシルと共に生きた。

 こちらのソランジュも幸せだったんだよと、機会があれば本家ソランジュにも教えてあげられたらいいな。そして物語のヒロインだったソランジュとも永遠にさよならを。別の物語のヒロインになった気もしないでもないけどね!


ソランジュが好みのタイプを語った時、アシルは「うむ。我のことよな」とご満悦でした。


あと、胸部装甲に関しては最初からソランジュが叫んでいた大事なことなのでねじ込みました。

叔父がジャックで従弟がジャン。無意識にすっとその名前が決まりましたが、書き終えてしばらくしてから、ジャン・ジャックモンドが頭のどっかにいたからだと判明。でも人狼じゃないし。

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あとがきの『ジャン・ジャックモンド』がスルーされてる!……でも仕方ない。 異世界(恋愛)ラノベ好きな読者の皆様には、知らないアクションマンガの知らないキャラだもんね…… ジャンが『イケメン』なのは書い…
成長には肉と同じくらい運動と休息も大事(サッカー部員がコロナ禍中頻繁に集団で練習できなくなった結果それが適度な休息になり分かりやすく身体データが向上したそうで…)なので牧場で祖父たちに見守られつつ幸せ…
……うん。 まぁ、タグに異種婚姻譚ってあったもんな。。 こういうタイプのヒーローきらいだけど。。 ちなみに、普通の狼(振る舞いは犬)として過ごしてる中での、ベッドに潜り込むの、夏場は追い出さなかっ…
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