協力してほしいこと
こごまで話を聞いたが、どうしてもわからないことがある。
「俺に、なにをしてほしいんだ?」
新谷と開地さんが、顔を見合わせる。
(決まってないな...これ...)
「わかった。
レベルアップの条件?を調べるってのは?」
この提案に、2人とも賛同してくれた。
正直、俺達のような素人が、そんなの解明できるわけない。
それこそ専門機関で、なんかすごい機械をつかってやるべきだろう。
でも、ふたりが求めてるのは、そういうのじゃないのだ。
「なにかやってたほうが安心する?
って感じかな?」
2人が頷く。
それはそうだ。
漠然と不安を感じ続ける毎日より、なにか動いてるほうがいいにきまってる。
おそらく、2人だと暗い雰囲気に落ちていってしまったのだろう。
「そういうことなら、俺も協力するぜ!
面白そうだしな!」
そこで、俺だ。
偶然とはいえ実績もある。
それに、不思議探索をしているときは楽しい。
そういう雰囲気のやつがいると、気がまぎれるということだろう。
「そうと決まれば、さっそく始めようぜ!」
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「じゃあ、開地さん。
レベルアップ条件にこころあたりはありますか?」
メモを片手に、質問する。
実はミステリーも、結構好きだ。
「心当たり...ですか...」
「そうです。
あなたの能力がレベルアップするきっかけのような..」
「きっかけ...」
「ぶっ...ははははは!」
突然、新谷が笑い出す。
「乙成、それやめてくれよ
まるで名探偵じゃないか はははは!」
つられて、開地さんも笑っている。
ちょっと恥ずかしくなったが、雰囲気が明るくなってよかったと思う。
「ごめんごめん
実はミステリーも好きなんだ ははは」
「あ...」
開地さんが、なにかを思い出す。
「ミステリー...か。
なんだっけ...?」
「どうしたの?開地さん?」
「んー...なんか思い出せそうな...
ちょっと、スマホみてもいいですか?」
そういって、スマホを確認する。
どうやら、チャット履歴を見ているようだ。
「うーん...
あった!そうだ!」
「どうしたの?」
「そういえば、レベルアップするあたりに、
ハマってたミステリー小説があって」
「ああ
チャットで言ってたやつだね?」
「そうそう
新谷くんにもおすすめしてて
あ...でも、全然関係ないかもしれないんだけど...」
「そういうのがヒントになったりするんですよ
話を聞かせてもらえますか?」
俺はまたメモを片手に、探偵モードになっていた。