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非日常が少しある話  作者: aka
ゾロ目
5/11

友が類を呼ぶ


「会ってもらいたい人がいる」


「なんだ!?彼女か!?」


「違ぇよ!でも、女だ。」


「やっぱり彼女か!?」


八ヶ代の突然の誘いに動揺する。

ひとしきり茶化し終わって話を聞くと、幼馴染みだそうだ。


「なんだ。え?幼馴染...?

 ラブコメかよ」


悔しいから、もう少し茶化してやった。


八ヶ代の話によれば、幼馴染はこの間の街に住んでいるそうだ。

しばらく連絡は取っていない。

それがなぜ、このタイミングなのか。


「それって...」


「ああ。たぶん、想像してる通りだ。」


週末、またあの街へ行くことになった。


----


当日の朝。

前回と同じ時間、同じ駅で待ち合わせる。


(今日はちゃんと寝れたからな。

寝坊しなかったぞ)


集合時間の15分前に駅に着くと、八ヶ代はもう来ていた。

俺に気づいて手を振ってきたので、前より気が楽そうだ。


「おはよう」


「おう、おはよう」


とりあえず挨拶を済ませ、改札を潜る。


「今日は、エナジードリンクはいいのかよ?」


「ああ、ちゃんと寝れたからな」


エナジードリンクでは無いが炭酸を買い、電車に乗る。

ちなみに、大きめの炭酸飲料を2本買った。


(前の時、全然足りなかったからな)


もちろん、ランタンも2個だ。


気が楽だといっても、八ヶ代は考え事をしている様子だ。

あまり話しかけないようにしたいが、どうしても気になることがある。



「なぁ。」


「あ?」


「そのー...」


「なんだよ?」


「...かわいいのか?」


しばらくの沈黙。

八ヶ代は明らかに呆れた表情をしている。

だか俺は、呆れる前の一瞬、にやけるのを見逃さなかった。


「かわいいんだな。」


「まぁ...それなりに?」


やっぱり悔しいので、めちゃくちゃ茶化してやった。


----


「なぁ、もういいだろ?」


前回とは別の意味で疲れた表情の八ヶ代。

もちろん、俺のせいだ。


「ごめんごめん!

 悔しくてついさ!」


お詫びの印といって、少し温くなった炭酸飲料をあげた。


「どうせなら、キンキンに冷えたやつくれよ」


怒っているような口調だが、機嫌が良いのがよくわかった。


「これは、このくらいの温度がうまいんだよ」


「そんなの、お前だけだ はは!」


そうこうしていると目的の駅に着く。

改札を抜ける。


(今日は2回目だし、東も西もわかるな)


なんとなく勝ち誇った気持ちで出入り口に立った。


「ダイソー!!」


後ろから女の子の声が聞こえた。

待合室から走ってきたのだろうか、少し息が上がっている。

髪は短めの、元気な女の子だ。

かわいい。


「お前、その呼び名やめろっつったろ!」


八ヶ代が、その子に言い返す。


「だ、ダイソー?」


「え?ああ、小学校の時のあだ名だよ」


「そうそう!

 読み間違えると、八ヶ代蒼(はちがだいそう)だから、ダイソー

 初めまして、前元 夕花(まえもと ゆうか)です」


「乙成 愛之助です。」


八ヶ代はそこそこと言っていたが、かなりかわいい。

再会を懐かしむ2人の横で、俺は喋れずにいた。


「そういえば...」


会話がひと段落したので、ようやく俺がしゃべる。


「あの動画は、前元さんが?」


「夕花でいいよ!

 そうわたし!」


動画の印象からは掛け離れていたので、信じられなかった。


「普段はこんな感じだからさ

 このままで動画にすると、なんか真実味が薄れるって言うか...」


前元さんは、ちょっと恥ずかしそうに説明してくれた。


「ゆ、夕花さんは...その...」


「あー、その話ね。

 例の公園で話すよ」


そう言うと夕花さんは、さっさと行ってしまった。

八ヶ代に促され、俺たちも続く。


「なぁ」


「ん?」


「おまえさ」


「なんだよ?」


「100円玉好きか?」


八ヶ代は、やっぱりなという表情をする。


「はぁ...まぁそうなるよな

 消費税分もちゃんと払えよ」


手慣れた返答に、八ヶ代の小学校時代が少し想像できた。




 









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