『この辺りか?』
何話か把握が難しくなったので、タイトルの○話『ーー』の○話をやめることにしました。
手抜きでさーせん!!
「この辺りか?」
質の良い服を着た20代中ほどの男性は、辺りを見渡す。
周りには、武装した男性が十数人ほど立っていた。
「はい」
そう返事したのは、中年の男性。2人とも執務室で話していた男達だ。
「目撃情報は、この辺り周辺が多いので、住んで居るのでしょう」
「子供が?空白地にか?」
「そうでなければ、5年も見かけられているのはおかしいですから」
「そうだな…」
中年の男性の言葉に、20代半ばの若い男性も納得するが、空白地はモンスターによって一般動物が死滅している危険地帯だ。
そんな所に子供が1人で生きているなんて考えられないが、悲しいかな、空白地が口減らしに使われているのは事実である。
「はあ…」
「あまり気になさらないで下さい」
「そうは言うが…、」
「お兄さん達、迷子?」
「「!!!!」」
「うわっ!」
そこに幼さの残る少女の声が聞こえたので、男達は勢いよく声の方を振り向く。
その反応に少女は、驚いたように尻餅をついてしまった。
「ああ、すまない!」
「ライシュ様!!」
思いの外近くにいた少女に若い男性、ライシュが起こそうと近寄り、手を伸ばそうとすると、中年の男性が咎めるように名前を呼んで駆け寄る。
「何かあったらどうなされるおつもりですか!!」
「こんな小さな子が何をするって言うんだ?」
「ぐっ、油断は禁物です!」
「はいはい」
口煩いなとばかりにライシュは苦笑する。
「ところで、えっと…、」
ライシュが改めて見た先には、10歳くらいの黒髪の少女が1人でぽつんと立っていた。
「アオイ。お兄さんは?」
「ライシュ・バッガーンだよ。アオイは、ご両親はどうしたんだい?」
「5年前に死んだよ」
(埋めたの今朝だけど)
「っ、!」
(こんな危険地帯で親を亡くした子が1人で生きるなんてどれほど苦労したことか…)
ライシュは、アオイを痛ましげな目で見ているが、神スマホ持ちのネクロマンサーのアオイからすれば、パパンがきちんと自分の実力を把握して、空白地の浅い所にいたのもあり、悠々自適な引きこもりライフを満喫していたので、言うほど悲しいめにはあっていなかったりする。
「そうか…。今まで大変だったね…、もう大丈夫だ!俺達と一緒に街へ戻ろう!」
「…」
そう声をかけられたアオイは悩む。
ボッチ生活に飽きはじめは、飽きはじめて、人恋しさはあるのだ。
だが、大きな問題がある…。
そう…、
「税金は、何公何民?」
「は????」
アオイは税金を払いたくないのだ。
ライシュやその周りの人々が意味がよく分かりません??って顔をしようが、払いたくないのだ。
(税金払うなら、ここでボッチ生活する方がマシ!
まっ、一応聞くには聞いておこう、税率)
「おやすみなさい…。パパン、ママン」
家のすぐ側の土を掘らせて作ったお墓に大きな布で包んだ両親を入れる。
パワフルなサルの死体のおかげで、引きずって突き落とす必要もなくなった現実に、アオイは、ホッと息を吐く。
「流石に世話になった両親の遺体を突き落とすのは良心の呵責が酷いもんな〜」
そう苦笑したアオイは、
「じゃあ、埋めちゃって」
そう、リカオンの死体達に命じる。
「っ…」
1粒流れた涙を見ないふりをして、アオイはそばにあった花を毟るとリカオン達によって埋められたお墓の上へと置く。
「次こそは、2人が仲良く元気に生きて、老衰で死にますように…」
そう手を合わせる…。
「ああ、どうして私の両親は寿命で死ねないの?っ、ダメダメ!!こんな考え方!!前世でも友達に言われたでしょ!自意識過剰か!って!私に人の生死を左右する程の力はないんだから!忘れちゃダメ!」
ついつい悲観的になると自分が不幸を振り撒いている気分になるのは、アオイの悪い癖だった。
最初に『自意識過剰』と言われた時は、反発してしまったが、自信満々な自意識過剰ではないが、『自分には周りを不幸にしてしまう力がある…!』って思うのも、中二病臭い自意識過剰さだな、と冷静になって考えると納得して以来、なるべくアオイはそう考えないようにしている。
「さて、じゃあ、今日はお散歩がてら、私もリカオン達の狩りについて行きますか!」
頬を叩いて気合いを入れ直したアオイは、にぱっとそう言って笑うと冷たいリカオン達の死体を撫でて立ち上がる。
「んじゃま、レッツラゴー!」
今日も変わらない一日が始まる?




