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10話『空白地?』





多少のすれ違いをしつつも、苦笑してカインは納得する。



「それなら、この空白地に居るのも分かるよ」


「空白地?」


「あれ?知らない?ここのことだよ。

モンスターばかりが住んでいて、人が住むのに適してないのと、隣国との国境の山脈だから、昔からどちらの土地とも決まってない空白の土地だから、ここらじゃ空白地って呼んでるんだ」


「へ〜」

(都合のいい所に生まれさせてくれたんだな)



どちらの場所でもないなら、税金も取られないし、納得納得とアオイは、一人心の中で頷く。



「そういうことだから、ごめんなさい」


「まあ、無理強いはする気ないよ。ここまで案内してくれてありがとう」


「いいえ〜」



街道に出て馬にまたがったカインに、アオイは手を振る。



「じゃあね〜」


「ああ、元気でね」


「パパンもバイバイだよ!」


『…』



娘に言われ、無言で手をふりだしたパパンに苦笑しつつ、カインは、獲物の入った麻袋を手に馬を走らせた。



「バイバ〜イ。ふぅ、よしっと。じゃあ、お家に帰ろうか、パパン」



ある程度見えなくなったのを確認してアオイは、そう言って、手を差し伸べるとパパンは、その手を握った。



「ここって、空白地って言うんだね。私、初めて知ったよ。

ついつい生活できるから、そういう知識後回しにしちゃってた。帰ったら調べないとね!」


『…』



無言のパパンの手を寂しさを紛らわせるように大きく振りながら、家へと帰る。



「ただいまー!!」


『…』


『おかえりなさい』



丸太を外し、匍匐前進で家の中へと戻る。



「そういえば、ここって空白地って言うんだね!そういう知識調べ忘れてたし、忘れる前にネクロマンサーの社会的地位について教えて!」


『ネクロマンサーの社会的な地位ですね。

ネクロマンサーは、死体を使役するので、餌代のかかる獣使いよりもお金のかからない労働力として重宝されています』


「あ、意外と嫌悪感ないんだ」


『はい。提案した以上、嫌悪感のない世界から選ばせてもらいました』


「助かる〜!」


『ただ、どの職業にもあるように、倫理的に禁止されているものはあります。

例えば、人間の同意なき使役は法的禁止と倫理的嫌悪がされます。

基本的に、魂の召喚が出来るレベルに達し、本人が望んでいることを確認出来る場合のみ許可されます』


「私の両親の使役、法に触れてるんかい…!!

わー!!代役急いで見つけないとなー!!」



流石に『法に触れてるので今すぐやめます!!』したら、無力な5歳児なので、明日から路頭に迷うのが確定するので大目に見てもらうことにする。



(マジですんません!!ママンもパパンも許してね!!!)



そんなことを祈るとふわりと優しい感覚に包まれる。



(パパン…、ママン…、)



いいことかは分からないが、どうやら5歳の娘の行先が心配らしい両親は、まだあちらに行けないのか、ときおりこうして返事をしてくれるのだ。



(向こうじゃあ、枕元にも立って貰えないレベルで零感だったのにな…。ネクロマンサーになったおかげかな?)



そう思えば、ネクロマンサーも悪くないな!とアオイは笑う。




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