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人はそれを沼という。

 はい、流れ的にぶっこもうとした流れが急流すぎて、書き直してました。


 とりあえず反応微妙なままなので、ユーカがチート能力を活かせるまでで終わらせると思います。


 今後の流れ


 スキル熟成回


 トラブル回


 クエスト回


 ほんわか回


 最終回


 位になります。各回が何話編成になるかはわかりませんが。


 どうぞお付き合いよろしくお願いします。


 なお、閲覧が増えるようならその後も、描いて行こうかなぁと思います。

 貴大はいま、スマホに夢中になっている。正しくは、スマホに映る映像に。そこに映るのは少し長い耳と、少し小さめの胸、背中に矢筒を背負い、なぜか薄手の服からのぞく、細く白く輝くしなやかな手足。短めの薄緑色のストレートの髪は風になびき、すこし吊り目気味の彼女はまさに貴大の求めていた『エルフ』そのものだった。


 おしむらくは、何を言っているのか、貴大にはわからない事だ。


「なぁ、彼女はなんて言ってるんだ?」


『貴大キモい、近寄らないで、子供ができちゃう』


 スマホのスピーカーから流れるのはいつもとは違う冷たく、抑揚のない、そしてどこか呆れを含む、ユーカの声。


「待って、なんで満面の笑顔をしたエルフっ子がそんな酷いこと口にしてるって言えるんだよ! 嫌すぎるわ、そんなエルフ」


『はぁ。わかったわよ。パーティを組まないかって。女の子が少ないからって』


「なぁ、それ、ニュアンスあってるか? なんか、彼女の眼がやけに蕩けてるというか、なんというか、そこはかとはぬ不安なんだが」


『む、じゃあ言葉のまま伝えるけど、間違ってないからね? ねぇ、あなた名前は? かわいいわね、一緒にパーティ組みましょう! ソロよね? ほら、女の子の冒険者って少ないし。男はケダモノだし。で、これから汗を流しに行くけど、良かったら一緒に入らない? 詳しい話もしたいし。ほら、間違ってないでしょ?』


「いや、明らかにグイグイ来てるじゃねぇか! しかも、返事を待たずにパーティ組む事になってんじゃん、そのエルフ大丈夫か?」


『問題ない』


「そのセリフ、不安しか無いからな? おぃ、ユーカ何処へ向かってるんだよ」


『お風呂だけど? 見たいの?』


「……ぐっ、みたいです」


『よろしい、ではアングル変えますね? 見えますか? ふふん、どうですか? 改めて見た私の姿は、下着も可愛いんですよ? ほら』


 そう告げ、上機嫌に部屋着のスカートをたくし上げるユーカから、赤面し視線を外そうとした貴大は、失敗しながら苦言を呈した。


「おま、とりあえず、冗談だから切れ。せめて、通話だけにだな」


『あんれぇ〜? あんなにえっちいのが好きなのに、照れてるの? ほらほら、貴大の大好きなフリルですよぉ〜』


 貴大の反応が可笑しいのか、嬉しいのか、蠱惑的な笑顔を浮かべて、ユーカは更にヒラヒラとスカートを持ち上げる。


「本当にいたたまれないので、勘弁してください」


『とか言ってガン見してるくせに〜。貴大のえっち。あ、それともエルフさんの方がいいの? ふぅん』


 途中から、目の光を消して、虫を見るように冷めていく視線と口調に、目に見えない恐怖を感じ、一瞬で貴大は赤面から立ち直りつつフォローをいれる。


「まて、勘違いだ。ユーカの可愛い姿を見れただけで満足だから、その勘違いとお風呂ライブはやめて!」


『……かわっ、可愛いって言ってくれたぁ! うふふふふ、やったぁ!』


 心の声が念話でダダ漏れになったユーカに、内心でため息をつき、色々と体に悪いマッチポンプは止めて欲しい。そう、切実に願うのだった。


「あの、ユーカさん、心の声漏れるからやっぱり、通話は上がってからでおなしゃす」


 そして、これ以上惹かれない様に、と通話終了アイコンをタップした。


◆◆◆


 結局、あの後連絡は来ず、翌朝目を覚ました貴大は連続する着信音でスマホを表にして、履歴の数にため息をもらした。


「うわ、深夜三時から一分毎にメッセージと着信履歴が交互とか、怖すぎる」


 とりあえず今なおメッセージと電話が来ている為、通話をタップする。


「こちらの電話番号は、お客様のご都合でお繋ぎできません」


『そんな、旧世紀のネタはいいからっ! 貴大助けて!』


 あまりに切羽詰まったユーカの声を聞き、貴大はおふざけ気分を吹き飛ばした。


「なにがあった?」


『ファリスが! ファリスが離してくれないのっ!!』


「は? ファリスってなに?」


 聞き慣れない、というより初耳の単語に貴大は首を傾げる。


『昨日のエルフの子! なんか、夜中にベッドに潜り込んできて離れてくれないの!』


「どんな状況よ?」


『こんな感じっ!!!!』


 そう言うとともに、ビデオ通話に切り替わる音がして、貴大のスマホに状況が映し出された。そして、映された画像に呻き声を上げることとなる。


「ゆ、ユーカさんや、せめて、せめて光のカーテンを……」


『助けて、貴大ぉ!』


 映された映像は、男子高校生、否、健全な男子には刺激が強すぎる映像だった。


 エルフの細く滑らかな肢体を、惜しげもなく晒し、ユーカを抱き枕にし、自身のあらわとなっている胸にユーカの紅く染まる顔を埋めさせているのだ。紅く染まり涙目のユーカの可愛らしい寝巻きは見事にはだけ、白い肌があちこちから覗いている上、淡い水色の下着も見えていた。僅かな抵抗とばかりに大事なところは見えては居ないが、それはもう、貴大の内角を深くえぐり、突き刺さっていた。


「……ごちそうさまです」


 貴大は、そう呟くと、前屈みのまま通話終了アイコンを震える指でタップした。


「元スマホが朝からエロ可愛いくて辛い」


 そう呟き、先程の映像が脳内から離れない貴大は落ち着くまでベッドから起き上がれず、ようやくベッドを出れたのは三十分後の事だった。


『貴大のばかぁ』


 そのあと、朝食後の通話での最初の声にまたも貴大は唸ることとなる。


◆◆◆


「で、今日はユーカのスキルについて調べてみたらどうかと……」


『……………』


「あの、ユーカさん?」


『ばか』


 貴大は、盛大にヘソを曲げたユーカの対応に手を焼いていた。朝方の助けを求める声を無視した、貴大的にはどうしようも無い上、朝から変な気分になるのを抑える為に通話を終了したのだが、それをユーカは気に食わなかったらしい。


 では、どうすればよかったのか? その答えを貴大は導き出す事ができず、いまに至っている。


「僕はどうすればよかったのさ?」


 困り果てた貴大は降参とばかりに、ユーカへ質問する。


『助けて……欲しかった』


 そう、短く小さく呟いたユーカの声に、高鳴る胸を左手で掴み、今度は貴大が沈黙する。


 可愛すぎて辛い。と、沼にハマる感覚を覚えながら、自室の机に頭を打ちつけるのだった。

 予定としては次回はスキル熟成です。貴大は果たして生き残れるのか?(羞恥的に)


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