第6話 買い物と姉妹の服の好み
路地裏で救出した彼女達を連れて路地裏から大通りに来たのはいいが、
「あぅう~」
「ルー、後ちょっとだから・・・」
妹の格好がかなりまずいのだ、このままだとワシ、職質案件じゃよな?どうみても・・・
「仕方あるまい・・・ほれ、二人とも適当にあの服屋に入るぞ?」
二人は不思議な顔しながらついて来て服屋に入った。
「とりあえず一通り買ってあげるからなるべく早めに選んでおくれよ?」
女の買い物は長い・・・それはどの世界、惑星であっても変わらない絶対のルールのようなもの・・・
正直あまり得意ではないが年頃の娘をこういう格好で歩かせるよりはいいじゃろう。
そのように考えて女性店員に声をかける。
「ちょっといいかの?ちょっと訳あってこの娘達に替えの服を用意したいのでの、支払いはワシが持つから頼めないかの?」
「はい、かしこまりました。では、お二方はこちらへご案内致しますね。」
「えっ!?そのゼロ様?」
「ていうか私も?」
妹のルージェは言わずもがな、姉のアルゼもかなり際どい・・・
「とりあえず、帰る途中で変なモノを釣り上げたくは、ないからのぅ・・・諦めて選んでおいで。」
ワシがそう言って休憩スペースに腰を下ろすと、二人も素直に店員についていった。
ワシは端末を操作して船の整備や設備の改装など、食料や備品類の購入によさそうな場所をチェックを始めた。
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ゼロ様に服を買ってもらえるのを申し訳なく思いながら、感謝して中にある服を選ぶ。
「ここのお店、結構いいお店なんだけどいいのかな?」
お姉ちゃんはボロボロだけど辛うじて服の形を残していますが、私はゼロ様の上着とギルドの人に渡された大きいシーツのようなものがなければ、下着1枚です。
よくよく考えるとゼロ様とあのクズどもににほとんど全部見られてしまいましたが・・・クズどもはもうこの世にはいませんし、ゼロ様は助けていただいた方ですので感謝してもその事を咎める事はありません。
それよりもゼロ様の好みの女性はどのような女性なのか気になります。
なんというか、助けてもらってからゼロ様しか考えられないというか・・・
もしかして私・・・でもお姉ちゃんはあまり意識してない様に見えるし・・・でも、こうやって優しくされると・・・特に強い男にこういう風にされると、お姉ちゃんも絶対に意識している筈・・・私達は双子だからその辺りの考えなんかも理解出来ちゃうのよね・・・街中で通りがかりの男性に点数つけて遊んでるとほぼ一緒の点数だし・・・
私がそんな事を考えていると店員さんが私でもつけられるブラやショーツ、シャツやズボンなんかを持ってきてくれた。
基本的にズボンなのは、傭兵やってれば当然なんだけど・・・あの人に見てもらえるように少し攻めて・・・いやいや、そもそも今支払いをしてくれるのはゼロ様なんだし・・・でもだからこそ・・・
などと私が考えに耽っていると、
「うわ~、男の人ってこういうのが好きなのかな?」
試着室の方からアルゼの声がしたのでそちらに顔を出してみる。
カーテンはしまっているが、姉妹なので普通に覗きこむ。
「お姉ちゃん、何してるの?・・・!?」
「あ!?こら、ルージェ覗かないでよ!?」
なんと姉がすごい透け透けのネグリジェと布の面積が少ない下着を身につけていたのです。
「お姉ちゃんもやっぱり・・・」
「えっ!?いや、その・・・ルージェはどうするの?」
「私も頑張るに決まってるじゃん!私も店員さんに聞いてこよっと!」
そう言って私は店員さんに聞いて下着を選び始めた。
選んだ服は後で姉と見せっこしたが、下着まで色が違うだけでほぼ一緒でした。
姉と私で違うのは身体のスタイルが姉の方が少しよくて、私の方が少し胸が大きいぐらいです・・・お姉ちゃんも十分大きいけど・・・
一応、ギルドなんかでも私達は結構ナンパされるし、見た目はいい筈だから・・・お姉ちゃんと作戦を練って、ゼロ様を口説いてみせます!
尚、店員さんはこっそりと他店にお使いに行ってくれてそういう時に必要なモノを買って来てくれました!後で端末からお店の評価を上げておかなくてはいけないですね。
姉と練り上げた作戦をゼロ様が会計を済ませたらスタートです!
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待つこと約2時間・・・時間は既に晩御飯どころか晩酌の時間になり、酔っぱらいが歩き出している。
あの二人の家がどの辺りにあるかはわからないが、それでもそんなに遠くないらしい。
船に積んであるパワードスーツと明日の白兵戦のテストで使う予定の装備をチェックして纏めていると、ようやく買い物が終わったのか、着替えた二人が出てきた。
二人とも傭兵らしく動き安く丈夫そうな服を着ている。
双子の宿命なのか、選んだデザインは色が違うだけでほぼ一緒のようだ。
ワシは店員に端末を掲げ、二人が買った分の支払いを済ませる。
「20万ガネーになります!」
艶々と店員の笑顔を見ながら特に何も言わず支払いをして、確認する。
「ちゃんと一通りかのう?」
「もちろんです!」
「そうか、ならよい・・・世話になったの・・・」
姉妹と共に店を出たワシは二人に宿の場所を尋ねる。
「二人とも宿はどこかのう?」
ワシがそう質問すると、アルゼが答える。
「確かに宿なのですが、宿は昨日一端引き払ってしまって荷物を別の所に預けてある状態なのですよ。その、依頼がかなり時間が掛かりそうだったので・・・」
ワシはそれを聞いて、
「では、荷物を取ってから宿を探さなくてはならないのかのう?」
「はい、そうなります。」
確認するとルージェが肯定した。
「ん~、そうなると・・・しかしのう・・・会ったばかりの女性をそう簡単に・・・うぅ~む・・・」
そう言ってワシは悩んだ。
「まぁ仕方あるまい、今晩はワシの船に泊まるといい・・・自動調理機もあるし、フードカートリッジも余裕があるからのう。」
ワシがこう言うと、
「よろしいのですか!?ありがとうございます!」
「私達に出来る事があれば何でも言って下さいね!?」
美人な二人にそう言われてよい気分にならない男はいまい・・・
「それじゃ、荷物を回収してからワシの船にいくかの。」
そう言ってワシは二人の荷物をワシの船に届くように手配してから船に戻った。
獣人は強い異性が好みなのは割とよくある設定