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SF英雄伝~若返った廃ゲーマーは自由を謳歌する~  作者: 菊一片
第1章 アルタイル星系記
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第4話 テスト開始!!

 実力テストとして、現在画面に映る敵機を撃墜する。

 しているのだが、

 「ちと、これじゃあ温すぎやしないかの?」

 ワシのぼやきが聞こえたのか、受付嬢が、

 「とりあえず撃墜できるだけ撃墜して下さい。後、5分続けてもらいますが、今から上位者及び最上位クラス用の難易度になりますのでGの衝撃も加わるようになります。因みに現在の難易度は一般傭兵用の難易度ですのでGの衝撃はありません。」

 受付嬢の申し出にワシは、

 「望む所だぞい!」

 不敵に笑いながら撃墜のペースを上げた。

 すると敵機の数が一気に30機は出てくるようになった。

 「はーっはっはっはっ、面白いぞぉ!!」

 元いた現実の世界ではなかったGの感触を心地よく感じながら、6門付いてる大型ホーミング・レイ・レーザーと主砲の大型レーザー・キャノン、そして2門付いてるミニウェポンの小型プラズマレールガトリングガンを使って片っ端から落としていく。

 プラズマレールガンとは亜光速で物質弾を放つ兵器でそのガトリングガンのバージョンである。

 そしてこの兵器の面白い所はサイズによって特性が変化するのだ。

 大型になると破壊力が上がり、小型になると貫通力と弾速が上がる。

 小型の弾速はレーザーより少し遅い位である為、正面の敵を排除、粉砕するのにかなり役に立つ。

 弱点というか、射程が短いのが玉にキズじゃが、この威力は申し分ない、船のシールドも装甲も一撃貫通じゃからのう。

 途中からどう見ても軍用の航宙船が出てきて、かなり倒し辛いがそれでも向こうの攻撃はシールドを突破出来ないので落ち着いて撃墜していけば問題なかった。

 シールドブレイカーを装備している艦が何機か出てきたのは少し焦ったがの。

 船のシールドに大ダメージを与える装備を持った敵機がいるとわかったら、見敵必殺で初手に主砲ぶっぱで纏めて落とす方法に変えたら、かなり安全に立ち回れるようになったわい。

 全ての敵機を撃墜して、画面にクリアのメッセージが浮かぶと受付嬢から呼び出しを受ける。

 「航宙戦のテストはこれで終了です、ゼロ様、こちらに戻って来て下さい。」

 気持ちの良い達成感を感じたままワシは受付嬢の方に歩いて行った。

 「結果はどうなったかのう?」

 受付嬢は少し頬をひきつらせながら、

 「本当に、問題なくクリアですよ。多分傭兵ギルド始まって以来の快挙です。」

 あの難易度はそんなに難しいのだろうか?自分にはちょうどよくてゲームのような感覚だったが・・・

 「次は対人戦のテストだったのう?」

 とりあえずその事は置いといて次のテストの事を確認する。

 「はい、そちらも準備が出来ていると連絡が来ていますので、白兵戦の方はどうしますか?」

 「対人戦をクリアしたら、白兵戦はやらなくても大丈夫じゃ無いのかのう?」

 ワシが受付嬢の質問に疑問を浮かべると、

 「別にやらなくてもいい訳じゃありません。ただあなたに合った仕事を斡旋する為には必要な事なのでやった方がいいとは思いますよ?」

 「ふぅむ、まぁ対人戦をやってから考える事にするかのう。」

 一瞬悩んだが、今の自分の対人戦の実力が今どれくらいのモノなのか判断してからでも問題はあるまい。

 パワードスーツ、特に自分が所有しているバトルアーマーは、正直かなり危険だ。

 「そうですか、では次の訓練所で対人戦のテストをするのでついてきて下さい。」

 そう言って歩いていく受付嬢の後ろをついていく。

 2分程歩いた先に体育館程のスペースがある場所に到着する。

 「では、次はこの場所で模擬戦をやっていただきます。」

 そう言って受付嬢は中央で立つ人物に声をかける。

 「グラスさん、準備は出来てますか?」

 どうやら模擬戦の相手は彼のようだ。

 髪型は短髪のゴリマッチョな体型のいかにも傭兵のような風貌の彼が対人戦と白兵戦の相手らしい。

 「Bランクのグラスだ、航宙船の腕は驚嘆に値するが一流の傭兵は何をやらせてもこなせるモノだ。お前がその器か試させてもらうぜ?」

 不敵な笑みを浮かべながら真っ直ぐにワシを見据え語るこの男は中々の手練れだとワシは判断した。

 「いいのう、そういうのは大好物じゃ♪」

 楽しみ過ぎてあまりに笑顔だったせいなのか、受付嬢の顔がひきつる。

 「あの・・・殺し合いではないので、模擬戦ですから二人とも殺さないで下さいね?」

 「大丈夫さ、なぁ?」

 「うむ、少し楽しむだけじゃよ。」

 ワシとグラスがウキウキとしながらルールの確認してると、

 「その、ゼロ様、あちらに模造刀等がありますので、腰に差している剣ではなく、あちらのモノをお使いください。グラス様も同様です。」

 とりあえず、普通の一本勝負のルールで、急所狙い等は特に反則ではないらしい。

 「戦いにキレイも汚いも無いだろ?」

 「確かにじゃのう、それでこの腕輪のようなモノはなんじゃ?」

 ワシは自分の腕に着けた支給品をまじまじと観察する。

 「そちらの腕輪は攻撃を受けた際のダメージ判定とフィードバックをする為のモノです。ゼロ様とグラス様が持っている模造武器各種と対応しており、攻撃を受けた際のダメージを疑似的に再現する為のモノです。」

 ワシは中々の高度さに感心しながら、

 「つまり、腕を斬られると一時的に腕が使えなくなるわけじゃの?」

 「そのとおりです。即死判定が出るとブザーが鳴るのでそこで模擬戦は終了して下さい。」

 「了解じゃ、それでは始めようかの!」

 ワシはレーザーガンを最低出力にして、模造剣を構える。

 グラスも同様に銃と、あれはデカイが斧かの?を構える。

 「では、対人戦テスト・・・開始!!」

 合図と共にお互いに前に出る。

 「せぇい!!」

 「むん!!」

 ワシの踏み込みを事も無げに合わせて斧を振り下ろしてグラスに、ワシも剣を振るい、武器がぶつかり合い火花が閃く。

 といっても、全力全開ではないのじゃがな、軽く踏み込んだだけでこのスピード・・・おまけにレーザーガンの射線がやはり見えるのう。

 「ぐぅぅ!?化け物か!?」

 「失敬な、一応は人じゃ!」

 などと言いつつ、ワシは自分のクラスジョブを考える。

 クラスジョブとは、所謂他のゲームでいう戦士とか騎士とか魔法使い等の事をいう。

 メインクラスとサブクラスを選ぶ事が出来て当然ワシも選んでおった。

 ワシが選んでおったメインクラスは何回か言っておるかも知れんが()()()()、このクラスジョブは初期値最低なのじゃが、極めると全てのステータスが全クラスジョブを上回り、全クラスジョブのスキルが使えるぶっ壊れジョブなのじゃ。

 だが、極める為にはゲームではレベル制が使われており最大レベルが300レベルなのだが、これだけでは極められないのだ。

 このゲームのある意味狂っている所は、転生システムがあることだろう。

 そして、この転生システム、この狂化兵士というクラスの為にあると言っても過言ではないかもしれない。

 この転生は10回まで行う事が出来る。

 因みに通常のクラスジョブは、一回300レベルまで上げればどんなジョブでもほぼ極められる。

 だが、狂化兵士だけは、それでやっと1割の成長をするだけである。

 何回もレベル上げをして、カンストさせ転生する。

 これを10回繰り返してようやく狂化兵士というクラスジョブは完成するのだ。

 魔法も使えるようになると聞いて選んだのはいいが、ここまでレベル上げが辛いクラスもそうそう無いだろう。

 お陰で攻略難度が跳ね上がる事になって、本気で白目を剥いたわい。

 サブクラスはマーセナリーという技術職を選んだ。

 戦闘技能は全て狂化兵士で取得出来るので、技術職のスキルを広く浅い感じで取れるやつという事で選んだのじゃ。

 実際はこれも結構レベル上げが大変だったが、まぁ狂化兵士を極める過程で勝手にカンストしておったわい。

 例えば狂化兵士用の装備を作ったり、航宙船を改造したりしている内にまぁサブクラスのレベルが上がる事上がる事、唯一辛かったのが素材集めじゃからのう。

 まぁ、ワシの今の能力がどの程度なのかは、それなりに把握出来たしそろそろ終いにするかの!

 「さぁて、上げていくぞい!」

 そう言ってワシは最初よりも強く速く踏み込み、

 「な!?」

 驚愕しておるグラスの隙だらけな所から斬りつけていく。

 五度斬りつけた辺りでブザーが鳴ったので、残心に入り、審判のコールを待つ。

 「!?そ、そこまで!勝者キャプテン・ゼロ!!これにて対人戦テストは終了です!」

 受付嬢は片手を高く上げて、対人戦テストの終了を告げた。

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