第2話 コロニーに到達
前回より短いです
敵機の残骸からサルベージを終えて、回収した物をチェックしながら、データキャッシュのチェックも行う。
「おぉっ!?マップデータがあるぞい!?コロニーも思ったより近いのう、光速ドライブを使えばここから3時間でこの場所に到着するのう。」
データに目を通すとコロニーの名前がわかる。
「コロニー名は、銀河同盟所属国 タイラント皇国 アルタイル星系コロニー3号、か。・・・アルタイルという事は地球もあるのかのう?」
現在地の確認と人が集まっている場所を確認して航路を設定する。
「宙賊どもの品物はほとんど食料と酒だのう、後少しばかりのレア・マテリアルだけか・・・まぁ少しは足しになるじゃろう。」
自らの状況を確認してから目的地に向かって発進する。
「では、中型航宙戦闘艦 カラド・ヴォルグ、目的地に向かって発進する。」
一度は言ってみたいセリフを言ってから目的地に向かって発進した。
カラド・ヴォルグを目的地に向かって進む事約2時間弱、思いの外早く到着した。
「宇宙に制限速度などないから飛ばし放題じゃのう♪」
予定より1時間早く着いたことで若干気分を上げながら、コロニーにドッキングリクエストを出す。
「入港申請も横文字か・・・老人にはちと解りづらいのう・・・」
しみじみと若返った自分の顎を撫でながら、自身の順番が来るのを待つ。
そして、自分の順番になったので自分の船のオートドッキング機能を起動する。
「ほうほう、車と違って楽チンじゃの~♪」
船を固定した後に、公安管理局からの調査を受ける。
「これより積み荷のチェックを行います、何かご質問などはございますか?」
公安管理局からきた役人に質問されたので、ワシは宙賊の事を伝える。
「ここに来る前に宙賊に襲われたので返り討ちにしたわい。その時に手に入れたデータキャッシュに奴らのアジトらしき場所が載っているからそのデータを提供したいんじゃが・・・」
ワシがそう言って端末を見せると役人は、
「つまり今積んでいる積み荷は宙賊からの戦利品という事ですね?わかりました。それとデータキャッシュですが、そちらについては、皇国軍 航宙軍基地にて受け取るので、あちらの方に連絡を入れるので宙賊の賞金を貰う時に軍の方に渡して頂けたら大丈夫です。」
役人は人の良さそうな笑顔をこちらに向けながら、こちらにそう教えてくれる。
「これは親切に説明して下さってありがとうございます。」
ワシが丁寧に礼を言うと、
「お兄さんは傭兵にしては、随分と丁寧ですね?貴族・・・でもないようですが?」
ワシの言葉遣いが少し珍しいのか、役人さんは首を捻る。
「ワシは厳密に言えばまだ傭兵では無いのじゃよ、傭兵ギルドにはまだ行っておらんからのう。」
ワシが正直にそう答えると、
「傭兵ギルドにまだ行ってない?ではあなたは何処から?」
ワシは顎を撫でながら、
「実はワシ、他国の脱走兵でな、生まれも育ちもかなり特殊でのう。信じてくれるならここだけの話で説明するがどうする?聞く気が無いのなら宙賊のアジトのデータでどうにかしてくれかのう?」
ワシがそう言って役人さんの顔を見ると、役人さんは納得したような顔で、
「なるほどなぁ、道理で見たことのない船を乗っている訳だ。まぁ、あんたが犯罪に手を染めない限りこっちから捕らえる事は無いから安心してくれ。スパイなら話は別だがそういう風に疑われないようにしてくれれば大丈夫だ。国の名前は言えるのか?」
役人さんは親切に説明してくれたので、ワシもその質問に答える。
「いや、ワシは所謂狂化兵士と言われる類いのプロトタイプでの。その時のインプットプログラムに色々と細工をして脱走してきたのじゃが、記憶を消すプログラムは消せなくての、船にあった日記とメモで自分の状況を確認した状態なんじゃよ。技能に関する知識なんかはあるが、日常に関する知識がほとんど無い状態じゃ。」
ワシが嘘を交えつつ今の自分の状況を説明すると、役人さんは少し悲しそうな顔をして、
「そうか・・・最初からそういう目的で造られたのか・・・で、それが嫌で脱走したと・・・ふ~む、その若さなのにジジ臭い口調も刷り込まれたプログラムってやつの影響なのかい?」
「そうじゃ、脱走できないように脳を壊すプログラムをインプットしようとしてたんじゃが、それを人格プログラムにすり替えたんじゃ。」
ワシが自分の口調についてそう答えると、
「なるほどな、まぁ話はわかった、俺も仕事だから一応報告しておかないといけないから報告するが、あんたが危険じゃない事をしっかり上に伝えておくよ。そういえばあんたの名前は?船のデータが一部破損していて名前の部分だけ読めなかったんだ。」
ワシはこの世界で自分がどう名乗るか考える。
「ワシはプロトタイプ ナンバー000、故にワシの名前はゼロに決めた。」
ワシがそう名乗ると、
「オーケー、キャプテン・ゼロ。これから先、あんたの名が銀河中に広まる事を期待しているよ。」
ワシは役人さんの名前を聞いていないので尋ねる。
「役人さんの名前は?」
「おっと失礼、俺の名前はリーブだ。」
役人さん、リーブは肩を竦めながらワシに手を出す。
「まぁ、これも何かの縁だ、俺に出来る事なら相談にはのるから気軽に公安に訪ねてくれ。」
ワシはその手を掴み、握手しながら素直に感謝する。
「わかった、その時は素直に頼るからよろしく頼むのう。」
そして、リーブは船を去ろうとして、
「そうだ、レア・マテリアルは公安の方に買い取り所があるから、今手続きしちまうな。端末を出してくれ。」
ワシは言われたとおりに端末をかざす。
「よし、これで全部手続きは終わりだから、後で端末からガネーの確認をしといてくれ。もう振り込みは終わっているはずだからな。」
ワシはそう言われて端末を確認する。
「なんか随分と多いように思えるが・・・」
ワシの端末には、208万ガネーと表示されている。
「それだけのレア・マテリアルが積んであったんだよ。市場価格っていうのは端末を使って自分で調べてくれ、それじゃ俺はここで失礼する。」
それだけ答えてリーブは船を出ていった。
「さて、どうしようかのう?」
ワシは船の中でこれから何をするべきか考える。