第19話:夏休み突入
ここ今治小学校は、夏休みに入るのが他の小学校より少々早い。
他の小学校なら、七月二十七日とか、七月二十五日とかが多いが、今治小学校ではなんと七月十九日から夏休みなのだ。
今は七月十五日だから、もう少しで夏休みが始まる。
「しあさってから夏休みですので、夏休みの宿題を配ります。」
中井先生はそういうと、紐と一枚のプリントを生徒たちに配った。
プリントをどんどん重ねていき、最後にひもで本のようにするのだ。
まず最初は、夏休み絵画コンクールのプリント。だが、このようなイベントに参加するものは、毎年二人くらいしかいない。
お次は、歯磨きカレンダー。歯磨きをちゃんとやったかどうか、プリントに書き込むのだ。
六年生にもなって、歯磨きをしないやつなんていないだろうと思うかもしれないが、このクラスでは歯磨きをしない生徒が多い。歯磨きカレンダーがくばられたとき、ドキッとした生徒が何人かいた。
その後、宿題のプリントややらなければいけないことが書いてあるプリントが配られ、生徒たちの持っている宿題プリントはかなり分厚くなった。
そして、最後に「夏休みの宿題」と大きくかかれたプリントを上にのせて、紐で縛るのだ。
「表紙の絵に色をぬりなさい。」
まったくもって意味がないことだと思うが、表紙に書いてある絵をかかなければならなかった。
一部の生徒をのぞいて、適当に色をぬっている生徒もいた。
もちろんシンベエは、その中のひとりであった。
人の顔を青にぬったり、服は全部黒だったりと、もうめちゃくちゃだ。
全員が色をぬりおえると、1学期に書いた図工の絵や、工作などがくばられた。
生徒たちはてさげにそれをつっこむ。
それが終わると、国語の授業が開始された。
下校途中、三人は夏休みの予定について話していた。
「なあ、おまえら、夏休みの予定、なんかあるか。おれは、とくにないけど。」
「ぼくもないね。」
「ぼくは、家族で旅行にでかけるよ。」
「へえ、お前は旅行に行くのか。どこに行くんだ?」
「京都だよ。ついでに、大阪と奈良も行くけどね。」
「うらやましいぜ。」
ぶーちゃんの家庭はそこまで裕福ではないが、旅行くらいなら行くことができなくもないようだ。
それから三日後、終業式が行われた。
校長先生が、体育館の舞台で話をしている。
これが終わると、先生たちのヒーローショーが行われる。
悪者役が学校で「長い休み中にこんなことしてはいけません」といわれていることをする。
そこで、ヒーロー役が「そんなことしちゃだめだよ。これは、こうこうしないと。」みたいなことを言っておわる。
高学年にはつまらない劇だが、一年や二年のチビどもはこれでも喜んでいるようだ。
終業式が終わると、通知表を教室で渡され、それでもう下校となる。
家に帰った生徒たちは、なるべく早く宿題を減らそうと、さっそく宿題をやっている。
セミがなきはじめた。もうすっかり夏である。