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破壊の聖女の祝福を  作者: konakusa
虚構の城
3/3

始まりの一歩

 空が裂け、世界に凝縮されたエネルギーが大地へと戻ったその日、私は目覚めた。

 目が冴えた時、世界の滅びを沢山の目が、人を、大地を、街を国を飲み込んでいく。

 これを仕組んだ奴は馬鹿な奴だ、こんな事をしなくてもまだいい方法はあっただろうに、それともこれはこれを仕組んだ奴の想定異常の物だったのだろうか。

 この試練を抜ければ、そうすれば確かに修正の力が世界を救うだろうが、その為の犠牲をまた我々に求めたとは何と愚かしい事だ。

 ただ、このまま私が世界を滅ぼすわけにはいかない、もう遅いのかもしれないが感じられる物はすべて回収しなければならないだろう。

 もうこの世界に復讐するつもりも、破壊するつもりもない。

 そもこの意思がよみがえったのも何かの奇跡、ならば私がするべきは・・・・



「これが古城?なんの冗談なのカイト」

「いや、これは俺も想定外だよアナ、この光景を目にすれば誰もがそう思うさ」


 廃墟の街メディスを後にして3日目、旧街道をひたすら歩いてようやく目的地パール城へとやってきた。

 ここまでやってきた目的は、魔騎を生み出す結晶体があるかの調査がカイトの任務だった。

 結晶体そのものには意思は無いが、最初の勇者ダン曰く結晶体は自らを守る為自身の周りに結界を展開し破壊されるのを守る防衛能力を使っているらしい。

 つまり、建物に結晶体があればその建物が結晶体の要塞となる。

 パール城、かつて災厄の日まではあった国の王が住む城、その歴史は古く築500年は立っている石造の建物のはずだった。


「水が城を覆ってるわね、ねえこれメディスにあればピッタリな城になってるわ」

「水に覆われた城か・・・確かに観光地にピッタリだな」

「ねえ、カイトの目的って結晶体があるかどうかの調査なんでしょ?カイトから聞いた結晶体の特性からして・・・ここにあるのは確定じゃない?」


 あんなん普通じゃないわよという彼女の意見にそれはそうだろうと口にする。

 常識的に考えて、あれは非常識と呼ばれるものなのだ、今の所その原因は結晶体だろうというしか他に考えようはないのだ。


「で?内部に侵入するの?どうする?」

「それは・・・」


 カイトは迷っていた、旅を初めてから違和感がずっとあった。

 魔騎は一体どこにいるのか、幾らなんでも王都を出て1っか月もの間に遭遇することが一度も無いとはおかしいのだ。

 何か異変が起こっている、それはパール城を見て確信に変わり始めていた。


 俺は魔騎と勇者ではあるが一度の戦ったことがない、というより結界で守られている街から出たことが無かった為、一度も見たことがない。

 そんな俺が、目の前にある瘴気の大きさが分かる。あそこには魔騎がいる。

 ただいるだけではない、尋常では無いほどの数があの城の内部に蠢いているのが感じ取れた。

 俺の仕事は結晶体の探索、それがここにあるのは確定したと言っていいだろう。

 その情報をもって一度王都に戻って、他の勇者を招集し結晶体を破壊する、それが最善の策であり、レオナルドさんから受けた指令だ。

 だけど、俺の直感はこのまま一度立ち去ってはいけないと警戒を鳴らす、嫌な予感がする。

 本来は結界の外に多くいるはずの魔騎と、城の内部に蠢く無数の気配、これはおかしい。


「悩んでも仕方ないか、アナさんこれからパール城の調査をしたい。一緒に行ってくれるか?」

「もちろんよ、私もね変な空気は感じてるのよ、結晶体だかなんだか知らないけど一緒に破壊しましょう」


 何の躊躇いもない彼女の言葉に勇気づけられている自分がいる事に、その瞬間気が付いた。

 胸に疼く気持ちを少し払うように、じゃあ行こうと手を振ったはいい物の、何をしているんだと恥ずかしさから振り払うように城に向けて歩みを早くする。


「君って偶に変な行動とるよね?どうしたの?眠いの?」

「な、なんでもない」


 笑うアナを振り払うような仕草をして一歩足を進める。



 まるで空中に城があるかのようだなと、空から降り注ぐ水の上に見える城を見上げる。

 遠目から近くに視界が城を捉えると、城を取り囲むようにものすごい勢いで流れているのが良く見えた。


「ねえ見える? あそこ1メートルくらいの亀裂が城を囲んでるね」

「ああ、空から降る水が亀裂に落ちてるんだな」


 まさに幻想的な風景、絶景だと言わざるを得ない光景が広がっている。

 幻想的であるが、同時にそれは本来の機能としては意味を成していない。

 360度水量のカーテンに覆われている城は、古城というより城塞だ。


「入れそうな入口も無いわね」

「まさに城塞だな。無理に入ろうにも水圧で亀裂の底に沈むというわけか」

「ここまで摩訶不思議な光景を見ると、魔騎っていう生物の本拠地なのかもって思っちゃうわね」


 結晶体がある場所であろうとなかろうと、どちらにしてもここまで不自然な場所なのだ、何かしらの事があるのは間違いないだろうし、俺の魔力がここに結晶体があると告げるかのように荒れている。

 しかし、さてどうやって侵入しようか。

 橋でも作れば渡れるか?とすげ~と言っているアナを見ながら思案する。

 が、しかしそんな杞憂も無駄になったようだ。

 城塞の水の目前という時に鉄が擦れ合う音と共に水の奥から見える城に変化が起きた。


「どうなってんだ?橋・・・だよな」

「ええ、どうやら我々を歓迎してくれるようですね」


 空からの水をさえぎるように、橋が城塞から倒れてくる。

 どうやらこの城塞は俺たちを迎え入れてくれるようだ、しかし、それはつまり。


「何かがいるって事だよな」

「でしょうね、魔騎か結晶体か、それとも何かの生物か。いずれにしても只の生き物では無いでしょう」


 どう考えても罠、このままノコノコ行けば魔騎に袋田滝にされるかも知れない。

 行くのはリスクか、思案する中横からすぅっとアナが城塞に向けて歩き出す。


「ここで見ていても仕方ないわ、とりあえず行きましょう」

「罠の可能性もあるが・・・」

「勇者なんだから危険は当然よ、まぁ何かあれば私も頑張るし」


 まるで私が居れば怖い文無しよ!!とでも言いたげな表情の彼女を横目に、不安を感じながらも一歩足を前に進める決意を改めるのだった。



『宜しいのですか? あの者たちの目的は、つまり・・・』

「いいではないか、今世においての人類だぞ。まさに救世主足りえる存在なのかどうか、私自ら見極めるチャンスなのだから」

『ーー様のお考えは分かりかねます』


 困惑の声を零す声に、笑うように違う声が城内に響き渡った。


「はてさて、今世においての勇者は果たして救世主足りえるのか、それとも破滅をもたらす悪魔となるか、私が裁定を下すとしよう」



 橋を渡る、そこに其処が本当に廃墟の城だったなんて思えない程の庭園が広がっている、そこまでは良かった、あんな空から滝の様に流水が落ちている城なのだ、何があっても驚きはしなかった。

 しかし、これは無いだろうと眼前にある光景に頭を振る。


「黄金の城・・・ね。ちょっと派手過ぎじゃない?」

「ああ、ほんとにな」


 流水のカーテンで城の全容が分からなかったが、まさに黄金、まばゆい位の光を放つ黄金城がそびえ立っていたのだ、これは驚かない方が無理というものだろう。

 例外を挙げるならばカイトの横にいる女性は驚きとは程遠い位の能天気ぶりで「ちょっとこの光景を模写したいわね」と観光地にでも来たのかと突っ込みを入れたくなる程のうきうきな表情を浮かべているのだ。

 だが、こうも建造物に驚いてばかり居ては城に入るにも日が暮れてしまう。


「とりあえず入れる入口を探そうか」

「そうね、と言いたいところだけど、カイトあそこにほらデカデカとおっきい正門があるではないですか」


 彼女が指さす方向は先ほどまで俺が見ていた所、そんな扉あったか!?とフッと見ると確かにそこには派手で大きい城の内部へと続く正門が存在していた。

 まさか今作られたのか? いやそんなまさか、単なる俺の見過ごし・・・か


 かつての名をパール城と呼ばれる今は無い王国の離宮があった、今は廃墟の城と呼ばれた場所であった。

 そして今やもうSFの世界なのかと思うほど、魔術的に可笑しい状態に成っている水のカーテンで守られた黄金の城、もはやあれは元の城とは何もかもが違っているだろう。

 はてさて、こんな荒唐無稽、摩訶不思議な事は自然と出来るハズはない、しかしでは一体このような事が出来るのは一体どんな化け物なのだろうか。



 ・虚構の城・回廊の世界


 一歩、二歩、三歩と頭の中で歩いた数を考えてから何時間立ったのだろうか。

 右、左、右そして右、長い長い一本道を突き進み、曲がり、そしてまた突き進み、また曲がる。

 そこに到達点は無く、それに意味はない。そう思うようになったのは何十という曲がり角を曲がってからだろうか。


 カイトとアナの二人はパール城内へと入る事には成功した、だが入った先が問題があった。

 城というのは建造物である、建造物というのは言うなれば箱だ、底があり天井があるものだ、それが普通の建造物である。

 しかし、見上げれば夜空、前を向けばコンクリートの様な壁と壁の間にある一本道、幅は2人が何とか歩ける程だろうか、コンクリートの様な壁の高さは目測10メートルはあるだろうか。

 魔術行使によってよじ登れるかと言えば、カイトが試し失敗、アナはやる前に「それは無理みたい」と試す前に諦めた。

 罠のようで、一歩踏み込んださら迷宮が続いているのではないかとカイトは考えたが、ふと気が付くと潜ってきたド派手な黄金の正門は跡形もなく姿を消していた。

 悔やむより進めと言わんばかりに、先に進むアナを追うように一歩、果てのない回廊へと歩み始めた二人。


 歩き初めて9時間はたったであろう頃合いでアナは突然歩みを止めて考える仕草を始めた。


「疲れたか? なんなら少し休憩をはさむが」

「いえ、あのね・・・もしかしてこれって迷宮ってやつなんじゃないかしら」

「えぇ、あぁ、はい」


 すでに歩いて1時間後にはその結論に達していたカイトは、今更なのかと思いながら抜けそうになる腰に力を籠めなおすように頑張った。

 そうだよ、分かっていたハズだ。彼女はどこかズレていると。

 今頃はどこかの術式は彼女にツッコミをいれている事だろう。


「・・・コホン、つまり回廊迷宮世界、建造物がこんな巨大な迷路を作れるわけない。道は平坦だったし。考えられるのはただ一つ。時空世界ね」

「なんだそれ? エレメントワープとかではないのか? 別の地形があの正門に通じていたと思ったんだけど」

「エレメントワープって何よ?」

「いや、エレメントワープだよ」

「いや、何よ」

「いや」

「いや」


 話は何故か平行線にお互いが「いや」と言い合う事10回、どうやらそういう事らしいとお互いが理解した。


「つまりね、時空世界というのは世界そのものに干渉できる魔法で、破壊王によってもたらされた力なの。彼が作った魔法は4つの聖遺物に封印されているのよ」

「その聖遺物を使ったらこんな世界をいくつも作れるって事なのか?」

「どうかしら? 私は見たことはないけれど、でも言い伝えではこんな世界作れちゃうと思わ、とういうかこんな世界作れるのってそれ以外知らないもの」


 おや?そんなに覚えているってことは記憶が戻ったって事か?と一瞬考えたが、そういえばなくなったのは記憶だけだったかと思い出した。

 はっきり言えば、そんな伝承も俺は聞いたこともないし、王国の書籍にもそのような物は聞いたこともない。マイナーな神話とかなら俺もしらないが、彼女の話から神話ではなく伝承に近い物がある、記憶喪失とは何とも面倒な物だろうか、なるべく彼女には早く記憶が戻ってもらってどこからその知識を得たのかを知りたいな。


「エレメントワープというのは都市間でつながっている門見たいなものだ、アナは記憶を失っているから思い出せないとは思うんだが、1日に3回都市間と国家間で行き来が出来るんだ」

「何それ、なんてSF?」

「いや、これが出来たのはもう300年も前の話で元々は国家間と3大陸を結ぶ為のプロジェクトから始まったものだ。今や必要不可欠なものだけど、当時は交通の1っでしかなかったらしい」


 魔騎の侵攻から人類はどうやって逃れ、生き物の宿命である食料問題はどうなっているのかはエレメントワープの恩恵が主である。

 トライル世界の三大陸、その一つの大陸バビロンは魔騎の侵攻が比較的弱く農業大陸とも言われている、主に第一王国アルフ、第二王国テシリアが世界の食料受給を行っている。

 カイトの故郷第三王国ライルは軽微とは言え領土の半分を魔騎に侵略され農業地域は壊滅している。

 本来なら魔騎によって土地も食料も断たれれば死ぬのみだったが、そこに救いとして機能していたのがエレメントワープである。


「なら、猶更悠長にして居られないわね。世界の人たちの為にも、そして貴方と私の為にも魔騎を、結晶体を破壊しましょう」

「だな、しかしどうするか。つまるところこの世界は永遠に迷路で言っても言っても回廊が続いている道なんだろう?」

「そこは、ほら・・・いい考えがあるわ」


 面白いことを思いついたと言わんばかりに手を合わせて笑顔で彼女は言うのであった。



『なかなかこの世界もハードな状況の様ですね』

「いや、あれらを回収した時には既に分かっていたことだ。そうか、この原因を作った奴の考えも分かるが、もう少し何とか成らなかったのか、いや、その答えに辿り着いたならば最早私よりも思慮はあるのだろうな」

『言えーー様も時間があればそこに至っていたハズです』

「よせ、分かっている。ああ、今ならば分かるさ。私の憎しみは愚かだったのだ、今ならばそれがよくわかる」

『いえ、それは貴方様の最後の理性ならば』

「・・・さぁあの二人は回廊世界からどう抜け出すのか、楽しもうではないか」



 世界は広い、私には過去は無いけれどもし合ったとしてもこの光景を見れば驚くに違いは無いだろう。


『どうやらこの壁はセメントや水、砂を材質とされる一般的な建築物に使われている材質、所謂コンクリートの壁のようですマスター』


 聖霊術式アリスからそのように聞いた時、ふとある発想が浮かんだ。ああ、ならそのほうが早いんじゃないかと。

 アリスの解析からこの世界が時空世界であると確証は出来ている、ならば後はこの世界を壊すことで発動している聖遺物を破壊すれば良い。

 この世界を形どるのは何か、空は夜空、周りは壁あるのは一本道。

 古において世界と呼ばれるものは目に見える範囲全てではなく体で触れる事が出来る物だ、天は世界ではなく神界なのだそうだ。


「つまるところ、脱出方法はね、この目に見えるコンクリートの壁を破壊すればいいのよね」

『その通りですマスター、聖遺物とはいえ世界の復元は別の次元の話。世界そのものの構造が維持出来なければ機能は停止されるでしょう』


 やると決めたら、とりあえずやってみるのが私の性だ、とりあえずやってみるだけやってみる。


「(アリス解体魔術式検索開始)」

『了解しました、マスターの魔力量を換算して出来る範囲で拡散魔術解体式を展開します』

「えっと、アナさん」

「ああ、はい。すいません忘れてました!」


 やるべきことが決まり、頭の中でイメージを固めていると、どうしてもアナは周りを忘れがちになる。

 これは私の悪い癖だ、カイトに悪いことをしたな。


「これからこの世界を破壊します」

「せ、世界を破壊!?」

「なので私の傍を離れないでくださいね」


 しかし、ここぞと言う時に伝達が大雑把になるものまたアナの悪い癖だった。

 ただカイトもただの素人ではない、勇者としての臨機応変に対処は出来るのだ、ガシッとアナの腰を両手で掴んで「了解した」と叫ぶ。


「・・・ほへぇ」

『マスター術式展開終了、魔術の行使を開始してください。・・・どうしました?体温が急上昇中ですが異常でも?』

「な、なんでもない!!なんでもないです」


 お、男の人に腰を掴まれているだけ、そうだけなのに、なんでこんなに恥ずかしいの!?ああ、もう今はそんな事じゃない、頭を切り替えなさいアナ。


「じゃあ行きますね」

「ああ、頼む!!」

「『魔力拡散・分解・消滅』」


 魔術とは言葉を意味ある現象として表す物である、時代時代によって魔術の形は変わってきたがその本質だけは変わりはしない。

 アナの紡いだ言葉は魔力となり意味をもって周囲に拡散した、結果周囲に覆っていた10メートルにも及ぶ巨大な壁は分解によって分解され消滅によって消される事になる。


「あ、やばいこれ」


 ただ、単純な言葉の魔術はその力を十全に発揮するが、同時に魔力の消費量も通常の非ではない。


『予想以上の質量です、これマスターの魔力が先に尽きます』


 分解だけならば、ただ物質を分ければいいだけだった為にそこまでの魔力は消費しなかっただろう、アナの限りない魔力と周囲の魔力だけで事足りていたが消滅が加わった為に分解後の物質を消滅させる為の魔力足りなくなってしまっている。

 コンクリートを分解したら、その過程にあった物が降り注がれるのだ、最悪時間をおいてアナ達はコンクリートに埋まってしまう可能性もある。


「聖遺物が停止するまでの破壊まであとどれ位!?」

『9時間で休憩を挟みながら40キロは歩きましたからね、あと5キロ程破壊すればいいかと』

「分解だけでも足りないかもしれないわ」


 つまるところ、時空世界は元からあった世界に世界をぶつける魔法ではなく、始まりの場所から移動した場所までが世界として広がっている世界なのだ。つまり今アナとカイトがいる世界は直径40キロの世界なのである。創成した時空世界はそこまでがそのままであれば世界として定義されるが、それが崩れればその世界は異物として世界に処理され始める為聖遺物は停止する。聖遺物には創成の力はあっても復元の機能はまた別の魔法、違う特権なのだ。


【光よ我らを包め・共有】


 まずいまずい、と額に汗を垂らしながら必死に起死回生の方法を探していた時、ふわりと暖かな光がアナを包み込んだ。

 驚いて辺りを見ると小さな光の粒がアナの周りを回っている、アリスも思わず『私も知らない魔術』と零すほど。


「アナ!!俺の魔力を共有させました。どうですか?いけますか!?」

「か、カイト!? え、あ、ええ。なんとか、これならいけるわ!!」


 先ほどまでの魔力の枯渇感が嘘かのように暖かい光の魔力をアナは感じ取れていた。

 同時にこれならば時空世界を破壊出来るとも確信した。


「アリス行くわよ!!」

『了解ですマスター!』

「え?なんかアナさん以外の声が聞こえるんだけど!?」


 なんだか後ろが騒がしいけど、魔力を頂いているのだ、カイトが負担にならないように一気に壊す!!


「『分解・消滅最大!!』」


 そうしてカイトとアナ一行は回廊の時空世界を抜け出したのであった。



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