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異世界にて恋を紡ぐ  作者: 繪人
5/8

不穏な気配

ま、間に合ったー!

「まったく。…さ、鍛練を始めましょう。」


僕の言葉が合図になったかの様に一斉に動き始める。

さっきまでふざけていた人達も鍛練が始まればまるで別人みたいだ…。

僕もまずはストレッチして、と。

ストレッチをしながら模擬戦を始めた人を横目に見る。

プレイヤー達を日頃相手するだけあってここの団員達はプレイヤー達が見たら青ざめる程強い。

自警団に入るために僕も執念でトッププレイヤーの名に連ねる程強くなったが(レベルではケインがプレイヤー1位)未だにに勝てない人が大半だ…。

と、いうか。ここはプレイヤーの相手を出来る人しか入れないから当然なんだけどね。

…うん。体も解れたし最初は走りこみでもしようかな。




「全員集合っ!!」


「「「はっ!」」」


いつの間にかいた副団長のオーディンさんが集合の号令をかけたので素振りしていたレイピアを納め訓練所の中央に行く。


「集まりましたね?…本日の連絡です。先日職人通りの横道で獣人の少女が紳士と名乗るプレイヤーに無理やり服を着せられそうになっていました。その少女はプレイヤーを殴り逃げたそうですが、最近プレイヤーの奇行が横行しています。最近は問題が増えてるのはメイン通りを横に入った場所なので、警戒をしておいてください。それと、ケイン!数日後のプレイヤーのイベントを説明してください。」


…はい?副団長!?僕何も聞いてないんだけど!

仕方ない。さっき団長に言ったことを大まかに話すか…


「…え?あ、はいっ!えっと、またプレイヤーのイベントがあるのですが、特定の魔物を倒した数で表彰されるというものです。それで問題なのが各街の中央にある広間で結果が発表される事です。なので、騎士団と協力して問題解決に動くことになりそうです。細かいことは団長が騎士団と決めるそうなので詳細は後日になるかと思います。…で、大丈夫ですか?副団長。」


「えぇ。大丈夫ですよ。ありがとうございます。と、いうことでイベント期間中は巡回を強化する予定なので見回りの順路がかわります。その順路ですがA班は……」


オーディンさんが見回りの順路を班ごとに次々言っていく。


「F班は騎士団の順路と被ってしまいますが、メイン通りを中心にお願いします。街の各門を繋ぐクロス通りから東南の職人通り。西南の芸術通り。西北の魔術通り。東北の商人通りの順で。」


「おう。」


「はい。」


僕とガードナーさんのが所属する班の順路が発表された。

僕達の班はどうやら騎士団と協力して巡回することになりそうだ。

僕達の班のメンバーはレイピア使いの僕の他に槍使いのガードナーさん。その他に魔術師1名。弓使い1名。短剣使い1名の5人で遠近バランスの良い班だ。

おそらく遠近のバランスの良さ、プレイヤーの僕が所属するということで重要度高めのメイン通りの順路が割り振られたのだろう。


「…の順でお願いします。各班、確認しましたね?この場にいない班員には伝達をしておくように。では解散っ!」


「「「はっ」」」




「にしても、大きいとは聞いたが予想より随分と面倒くせぇなな。まさか見回りの順路まで変わるとはなー。」


「まぁ、プレイヤーの人数とさっきの変質者の事考えれば妥当ですけどね。」


「そうなんだがなぁ。」


あの後自警団を出て巡回を始めたがガードナーさんとの会話はもっぱらイベントの事だった。

巡回中といっても仕事をきっちりこなしていれば私語は許されている。


「あ、それとそうだ。その変質者こと自称紳士。レリックの野郎が言ってたが、あれって副団長は服を着せられそうになっていたっつったが正しくはドレスだってよ。しかもお貴族様が着るような。何したいんだよそのプレイヤーは…。子どもを持つ身としては心配だしよ。」


「あー…それは流石に僕もよくわからないですね。ただ紳士って『向こう』では変態という意味もあるんですよね。」


「は?なんで紳士と変態が繋がるんだよ!?むしろ真逆だろ!」


「確か…変態という名の紳士だ、というセリフがあってそこからきてたはず、です。詳しくは知らないんですが。」


「はぁ…。やっぱし変わってんなー。俺らは理解できねぇよ。」


「あはは…。」


やはり文化が違い過ぎて理解出来ないか…。

まぁ理解して感化されても困るんだけどね。


「っ。…なぁ、ケイン。何か感じなかったか?」


「え?いえ。なにも。どうかしました?」


「何か嫌な感じがした。…。ケイン。そこの道行くぞ。」


「は、はいっ!」


いきなり走りだしたガードナーさん訳の分からぬままついていく。


「ここ、か!?」


暫く走り、行き止まりになったところでガードナーの雰囲気が変わった。


「はあはあ。ガ、ガードナーさん?どうしました?……!!」


これは…。


「黒い……淀み?」


「ケイン!その淀みに近づくな!!引きずりこまれるぞ!」


その淀みはよく見ると周囲の物をゆっくり、でも確かに飲み込んでいっていた。


「ガードナーさん。これは何でしょう…」


「分からねぇ。ただ良いもんじゃないのは確かだ。俺たちじゃどうにもならないな。応援呼ぶぞ。」


「はい!…?あ、待ってください!!淀みが…!」


「あ?…どういうことだ。」


話している間にその淀みはあっという間に消えてなくなった。


「……。…ここにいてもどうしようもない。団長たちに報告しに行くぞ。」


「そう、ですね。」

ようやくフラグがたったー(*´∀`)

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