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負の顕現
ある時、地上から太陽は失われた。
お前達はわかっていただろう、お前達は私を知っている。これは間違いなく起こるべくして起こったことだ。破綻した人間性、陰鬱な日常、大きく開いた隣人との距離感。それらには形はなく、だが確実にお前たちにに近づいていた。
闇よ、虚無よ、彼らに安寧を与えるがいい。
かつて人お前たちが人の子として心に抱いていた光、鮮明な景色と刺激にあふれる日常はいつの間にか死に絶えていた。素晴らしかったはずの世界とこのどうしよもない現実の乖離は日増しに大きくなり。この忌々しい日はついに訪れた。
嵐のなかから現れる黒い異形の物、ゆらゆらと形を変える流動体。人間の根底を破壊し光を否定するものは一瞬のうちに世界を黒く塗りつぶした。
「――――egaaaa......―u■wwwa■■hhhh――uggg!!」
ついに世界は終わったのである。