第一話 目覚めると…!?
「こうやって、なーにも考えずに路地に入ったらここは異世界…なんてことはないか、、、」
青年がつぶやきながら路地に入ってきた。彼の名前は丞、小鳥遊 丞。
今日は、全国でも最高気温を記録する猛暑日らしい。
「はあ、今日も暑いな。」そんなこと言いながら慣れた手つきで自販機でグレープジュースを購入する。
150円のものを買うために200円入れたから50円硬貨が一枚出ているはず…なのだが
「あれ?2枚入っている、前の人の忘れ物か。まあ、ラッキーってことで…えっ?」おつり返却口から二枚の硬貨を取り出した手を見てポケットに入れようとする手を止める。
「なんだこれ、偽硬貨か?いや、おもちゃの硬貨みたいだからか誰かのイタズラか…ぬか喜びさせんじゃねえよ」と残念がりつつも50円と謎の硬貨を自宅へ持って帰った。
自分の部屋で机の上に置いた謎の硬貨を見る。
いや、銀色に光り輝いているその硬貨に見入っていたというのが正しいかもしれない。見た目は日本の100円硬貨によく似ている。
表面にはどこかの偉い人だろうか豪華な装飾をした男が刻印されている。裏面には数字とよくわからない文字が刻印されている。もしかしたらこれは古代の硬貨ではないかと思って写真を撮ってインターネットで検索するも何もヒットすることはなかった。結局何かわからないまま丞の財布にしまわれてしまった。
それから、月日がたったある日、いつものようにあの日のようにグレープジュースを買おうと財布に指を突っ込んだ時
「痛っ!?」
静電気ではないような痛みが体を襲う。その正体は、前に見つけた謎の硬貨だった。「こんなもんいらね。」といいながら窓から外に投げ捨てた時
ブオン
「!?」
驚くのも無理はない、目の前にきれいな青色のカーテンが現れたのである。
「なんだこれ、触れるのか?」スッと手を伸ばす。だが感触がない。
もっと先と思って奥まで手を差し込んだその時
「!?」
手がひかれるような感覚と共に窓の外まで体がはみ出した。
そして、案の定下に落ちたのだった…
彼は、病院に運ばれたが意識は戻ることはなかった。
でもそんな事態になっていることに彼は気づいていなかった。落ちた時彼は死んだと思って目を閉じた。
落ちる感覚
落ちた衝撃に痛み
があったのに目を覚ましたのだ、見慣れない建物の中で。
「あなた、大丈夫?どこの国の方?」
そう尋ねる見知らぬ女性の姿がそこにはあった…