虫ケラが俺を害するのか?
ピンク髪の女の子。
フリフリのドレスはピンクと白で彩られている。俺の前に背を向け現れた女の子は俺を助け?に来たんだろう。
しかし、下卑た笑みは変わることなく女の子から視線を俺に戻すガキ。
「へっ、ピンクダイヤモンド遅かったな。今からこの男の邪念を使ってジャネェを呼び出して今日こそお前を倒してやる」
「あっ・・・っ!!」
そう言いながらガキが笑い飛ばす中、女の子はこちらに振り返ると悲しげなそして悔しそうな表情で走ってきた。
訳がわからない。
他人、それも見ず知らずの人間に向ける顔だろうか?状況は全くもって理解できないでいたがその女の子の方がもっと理解、いや理解不能だった。
イライラした。
だがしかし、最初からわかっていることはある。
俺は害されている。
ハエのように目障りに笑うガキに・・・
俺の中の力が怒りに力を注いでいく。
力は力だ。
それでしかない。俺自身のありとあらゆることを上昇させる。感情もしかり。
湧き上がるものは仕方がない。
発散させるか。
「ふんっっっ」
黒い煙を気?なのかな?消し飛ばす。
そして、虫でも潰すかのように両手で勾玉を破壊する。
パンッ
もろっ!?ガラス玉かなにかなのか、砕けた破片は黒い煙をだしながら消滅した。
「へっ?」
「えっ?」
突然の出来事にガキは下卑た笑みからアホ面に女の子は呆けている。まぁ、大体一緒だがなんとなく俺の中の表現を変えてみる。ガキはなんか気に入らねぇし。
「さてと・・・いちにさんし、に~にさんし」
体が自由になったのを確認するため軽く準備体操をする。準備?なんのだって?それはガキをボコボコするための準備だ。
「よしっ、で誰が誰を使うんだ」
「!?・・・お前何もんだよ」
アホ面をさらしていたガキは危険を感じたのか額に汗を流し始める。舐められまいと強気な表情だが顔がひきつっている。
女の子の方も感じ取っているのか、ゴクリッと息をのんでいる。
いやいや、空気よんでないで戦えよ。
まぁいい、俺がやらなきゃいけない。
せめて湧き出てしまった力を発散させなければ、だからその原因になったガキにぶつける。
湧き出る力を無理なく放出しながらガキに近付こうとしたが、力の放出が止まらなかった。