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GW戦線。風雲ギルドバトル 9

 陰陽師たちに四方を囲まれ身動きを取れなくなったシヅキたちを助けるべく向かった私達二人の前に立ちはだかる人がいました。

 実況のトト氏も何か言っているようですけど、その声は試合会場には届かないのです。まあ届いちゃうと相手に動きを悟られちゃいますしね?

 

 

 「ふはははっ!仲間を助けたくば、この私、道満法s……「邪魔ッ!」ウギョァ……!!」

 


 しかし、シヅキ達を助ける事しか頭になかった私達が、目の前の道を塞がれた程度で止まるはずもなく、立ちふさがった道…何とかって言う陰陽師を、ナナの新取得スキル【蹴撃術テックォンド】で蹴り飛ばして先を急ぎました。


 なんとかシヅキたちの近くまで行きましたが、その周りを囲んでいた陰陽師の一角が私達に気付き、声をかけてくる。



 「ふんっ…道満のやつ……やはり足止めも出来なかったのか……だがヤツは、俺達《封殺四明天ふうさつしめいてん》の中でも最弱……。

 本当の最強はこの俺…賀茂保憲かものやすのりなのだよ!」


 私もだけどナナも意外とせっかちな性格をしていて、こう言うウダウダと口上を述べる人の事は、あまり好きじゃありません。特に今の場合は、せっかく入ってきた新規メンバーを本戦でいきなり全滅させたりしたら私のギルドマスターとしてのプライドが許しませんしね?


 ……ギルマスとしてのプライドがあったかどうかは、この際気にしないように!



 「…そんな事どうでも良いからそこをどいて?凄く邪魔なんだけど?」

 「退いてくれと言われて、退くようなヤツはいないと思うぜ?お姉さんたち?」


 …たしかにそうよねぇ。

 賀茂何とかと一緒にいた別の陰陽師がナナの要請に反応して答え、賀茂何とかの部隊を私達の足止め要因として集めるように指示を出しました。


 まあナナも無駄と分かってても、言わずにいられなかった事は言うに容易い。

 とりあえず、シヅキたちを囲んでいた1方向の部隊を引き剥がす事はできたので、あともう少し引き剥がしたい所ですね。




 「ナナ。この人達の相手を任せても大丈夫かしら?」

 「え?うん。大丈夫だと思うよ~?レイカちゃんは……突っ込む?」

 「ええ。多分残ってる陰陽師たちの相手でも厳しいと思うから、何とか数を減らしておこうと思ってね」

 「了解だよ。こっちは任せて」



 ナナと打ち合わせした後、私はサンダーを陰陽師たちに放ち、砂埃で視界が狭まった瞬間を見計らい陰陽師たちの隙間を縫いシヅキたちの方向へ駆け出す。



 「くっ!?一人抜けたぞ!合流させるな!追えぇ~!」

 「そうはさせないよ~ッと」

 「ぐっ!竜騎士か!しかし、俺達ならアンタ一人位なら倒せる!アンタを倒した後ゆっくりと、先に進んだギルドマスターを料理してやる!」

 「えぇ~そう~?言っとくけど私…強いよ?」


 レイカを追いかけようとした加茂達の前に今度はナナが立ちふさがり、ナナVS賀茂の部隊の戦闘が開始された。




 一方その頃、賀茂部隊を出し抜き、シヅキたちの回りの敵を減らそうと画策している私はといいますと、見事に敵部隊に囲まれてしまいました。……私の予定通りとも言うけど。


 「くっくっく!一人で突っ込んでくるからこう言うことになるのだよ。俺達、藤原兄弟の操る吸生八星陣に掛かり、戦闘不能になるが良い!」


 吸生八星陣と言うのがどういう技か知りませんけど、大人しく嵌まる筈ないじゃない。

 藤原兄弟とか言う二人の部隊は全員で6名。確かさっきの賀茂部隊が5名だったから一人多い計算ね。


 ……多いからどうなのか?と言われても困るんだけど、突っ込む前の打ち合わせで敵軍25名のうち多く討ち取った方のいう事をなんでも一つ聞くという約束をしてしまったので、手を抜くわけには行きません。




 「ん~この試合のメインは魔法で良いわね。裁縫闘士のスキルとかあまり早く見せ過ぎてもイマイチ盛り上がらないかもしれないし」


 とはいえ、あまり時間を掛け過ぎるとシヅキたちが、やられちゃうかもしれないので手早く済ませるため、冥闇スキルを詠唱する。

 今から使う魔術は冥闇スキルの中でも見た目的な破壊力に優れていてさらにバッドステータス暗闇を併発させてくれるので、お茶の間の皆さん(観客)に刺激を与えるにはもってこいだと思ったわけです。




 「くらいなさい……《安寧の光ソドム》!!」



 一瞬で私の周りから闇が噴出し、空高く飛んでいったかと思うと極太の闇の槍となって藤原兄弟の部隊へ降り注ぐ。



 「ぎゃぁぁ!」

 「ぐふぅ!?」


 魔法が止まり、辺りに闇の濃さが薄れていくとそこには……敵影は存在しませんでした。

 どうやら安寧の光で藤原兄弟やその部隊の体力ゲージが吹き飛んでしまったようです。初めて使った魔法なので説明に書かれている効果しか知りませんでしたけど……意外と凶悪な魔法だったんですね【冥闇】の上位魔法。



 やっぱり吸生八星陣とか言うの食らった方が良かったのかしら?

 なんてことを思いながらも、先を急ぐ私の視界にとうとうシヅキたちの姿が映りました。




 「シヅキ!スミナ!コノハ!無事?」

 「はい!大丈夫です!レイカさんたちが囲みを作っていた部隊をいくつも倒してくれたおかげで、持ち直す事ができましたので」

 「そう、それは良かったわ。ここから先は私も手伝うからさっさと片付けてしまいましょう」

 「は、はい!おねがいします!」


 あれ?そういえば一人足りないわね。


 「ねぇ、コノハ。ルルカは?」

 「ルルカさんなら、相手のギルドマスターと戦いをしていますよ!」

 「……もぅ…ルルカったらシヅキ達の援護を任せておいたのに勝手なことして……後でオシオキね」

 「……(ルルカさん羨ましい……)」



 その頃、安倍清明と戦っていたルルカは酷い寒気を感じたそうな……。



 シヅキたちと合流した後は、とりあえず12人倒して後は援護に徹しました。

 と言うのも敵は25名です。私が12人倒しておけば残りは13人。

 そのうちの1人である清明はルルカと戦っているので、残りは12名。

 しかし、その残り12名のうち数人はシヅキたちが倒してくれたので、どうやってもナナとの勝負は私に軍配が上がるのです。うふふ。何をしてもらおうかしらね……。




 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 レイカがシヅキたちと合流した頃ナナは……(ナナ視点)



 「てぇぇい!《飛龍登天》!」

 「グバァぁっかなぁぁ!!(訳:ばかなー)」



 最後の一人となった賀茂保憲に必殺の一撃を叩き込み倒し終わっていた。


 「ふぅ~。なかなか大変だったかも。シャナンが居ないと大半の竜騎士技が使えないからきついなぁ」


 別にこのギルドバトルでシャナンを使ってはいけないというルールは無いので使えるんですけど、さっきレイカちゃんと約束した賭けで、私とレイカちゃんのどっちが多く敵を倒せるか決めたので、シャナンを使うと卑怯な気がするんですよね。


 「おいっ!いたぞ!竜騎士だ!」



 休む間もなく次のお客さんに迎えられた私は、賀茂保憲と戦っているうちにレイカちゃんと別れた位置より大分離れている事に気づきました。


 「んー、ここからシヅキちゃんたちのところに行くのは厳しいね。なら敵と戦うまでだよっ!」



 私の所にきたのは土御門なんたらって言う人だった。この人の攻撃方法はゴ-レム生成(といっても巨体ではなく人サイズ(ただし硬い))で一度に3体も操作してくるツワモノでした。


 けどそのゴーレムたちを抜かれたらやはり魔術職。隙だらけでした。



 「終わりだよッ!《烈風槍》!!」

 「おのれぇぇっ……!」


 槍などの長物武器に風の属性を纏わせる【戦杖】スキルの技でその体を貫き、特性【第六感】で、もう援軍が来ないことを確認しその場にへたり込む。



 「うぁぁぁ~。疲れたー。……うーん、レイカちゃん達の方もなんか派手な音してるし、終わりが近そうだよね。よし!終わりにしようっ!」



 私はレイカちゃんとの勝負を諦め、休むことにしました。ぶっちゃけ、賭けに負けてもいいんですよ。

 レイカちゃんからのお願いは基本、聞いてるからいつものことだもんね。

 まあ、私が勝ってたら一晩一緒に寝てもらおうと思ったけどね!

 それはまた今度機会があるときにでも……ね?




 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 陰陽師の群れをやっつけた後は、ルルカのもとへ合流すべく奥へ進みました。

 そこに居たのは互いに赤ゲージとなっている二人だった。


 「ルルカ。一人で大丈夫?」

 「あたしなら大丈夫……手出しは無用だよ」

 「分かった。まあ残ってるのはもうその人だけだからゆっくりすると良いわよ」

 「ありがと」



 ルルカに必要事項を述べ、二人の戦いの、とばっちりを受けないように後方へ下がりました。


 「次で決める!」

 「いいでしょう。仲間達が敗れたようですから私も本気の本気で参ります」


 お互い魔法職なので詠唱がある。ルルカは恐らく火炎魔法。清明は恐らく自分の持つ最高の符術を使ってくるはず。


 「【煉獄火炎】!」

 「【青龍召喚】!」



 ルルカの魔法は、着火点から半径3メートルを焼き尽くす火力重視の中~上位に位置するスペルですね。

 清明の方はと言いますと、符術から召喚された大きな青い鱗の龍が煉獄火炎と競り合っていました。


 その戦いは1分ほど膠着した状態となっていましたが、青龍が煉獄火炎を打ち破り、ルルカに襲い掛かる。



 「……くっあぁぁぁ!!」


 青龍の体当たりがスペル詠唱後で硬直している体に直撃する。その一撃でルルカの体力は完全に消失しアバターが消え去る。



 「ハァ……ハァ……。私はこれでリザインしますよ……流石に一人でアナタ達全員を倒すのは無理ですので……」



 清明も青龍を出し、魔力などが心許ないのでしょう。ルルカだけでも倒せてよかったとでもいうのでしょうか……降参を宣言した清明の顔は晴れやかでした。


 「……レイカさん。今回は負けにしておきますが次戦うとき私はアナタを倒します!首を洗って待ってる事ですね。では」




 うん?なんで私はあの清明氏に敵視されてるのかしら?気付かないうちに嫌われる事しちゃったのかしら?


 この理由は、以前龍潜境でPKを倒した件があるのですが、清明たちはそのPKを倒す為に行動していたらしい。けど私がそれを潰しちゃったから敵視してるという事みたい。



 あっ、思い出した!次の試合のサブマスター2人ってあのPKたちじゃない。

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